クハ481形のうち481系の制御車として製造された1~18番では赤色にクリームのスカートを装備しており、また、国鉄時代の鹿児島運転所に配置されたボンネットのクハ481形は1977年頃よりトレインマーク部上部の赤ひげが撤去されていました。
これらの特徴は1985年に勝田電車区に転属してきてからもしばらくの間残り、九州地区らしいスタイルで「ひたち」の先頭に立つ姿を見ることが出来ました。
TOMIXではこの485系「ひたち」を製品化いたします。
今回このクリーム帯の入った特徴的なスカートの塗り分けの姿を再現するために、スカートパーツを新規に制作いたしました。
形こそは従来の初期型のものと同じですが、連結器カバーが別パーツとなっています。
今回のセットではモハ484・485形はすべてキノコクーラーことAU12形を搭載した車両になりますが、基本セットと増結セットの車両では製造時期の異なる車両を再現しています。
まず最大の特徴となるのがモハ484形の屋根上にある高圧引き通しの碍子の本数になります。
モハ484形のうち、前半に製造された46番までの車両は481・483系のように屋根上の碍子の本数が7本と多い姿が特徴的でした。
今回、屋根や碍子の部品を新規に製作することで再現をしています。
クハ481-100形、クロ481-100形、クハ489形と同時期に製造されたモハ484(488)形からは見慣れた5本の姿へと変更されました。
走る変電所とも呼ばれ複雑な屋根上が特徴のモハ484形ですが、前記の碍子の本数のほかにも目立つ変化がありました。
それがこの主計器用変圧器の形状で、当初は大型のものでしたが製造していく途中で小型のものへと変更がされました。
碍子が7本ある基本セットのモハ484形には大型のものを、碍子が5本の増結セットのモハ484形には小型の姿を装着し再現いたします。
また、この変化は碍子の数が変化した区切りとは異なり、62番以降あったといわれています。
つまり碍子が5本だけど変圧器は従来の大きなものを積んだ…そんな形態の車両も再現できるように、今回増結セットには交換用に大型の主計器用変圧器の部品が付属いたします。
車体を見てみると、側面端部にある非常口にも違いがあります。
当初は溝のみあるような形状であったのに対して、50番以降は縁の付いた形状なっていたことが特徴でした。
あれ?先程の碍子の本数の変化した番号とは区切りが近いものの完全には一致しませんね。
実際は屋根の碍子が5本だけど非常口は溝のみ、という移行期のような車両が485系・489系共に碍子が5本になった以降で初期に製造された車には見られたようです。
こういったところも長きにわたり改良しながらたくさんの車両が製造された国鉄電車らしいところですね。
これらの点を踏まえ、基本セットではモハ484・485-46番までの車両を、増結セットではモハ484・485-50以降の車両を主に再現できるようになっています。
また、485系では初期に製造された車両と後半に製造された車両とでは床下機器にも差が見られました。
今回どちらも既存の部品ではありますが、異なる部品をそれぞれ使用することで各車両の特徴を再現しています。
詳細情報<98825>国鉄 485系特急電車(ひたち)基本セット、<98826>国鉄 485系特急電車(ひたち)増結セットも合わせてご覧ください。
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