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「首都圏色」をまとうキハ40形2000番代を再現

キハ40形2000番代の側面
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります

キハ40系は、当時老朽化していたキハ10系ディーゼルカーなどの後継車として国鉄が開発した一般形ディーゼルカーで、1977年に登場しました。それまでの一般形ディーゼルカーとは異なり、裾を絞った大型の車体を採用するなど、居住性の向上が図られました 。また、単行でも運用可能な両運転台と片運転台の車両が用意され、片運転台にはトイレの有無による違いがありました。 各地域向けとして、北海道の酷寒地向けや東北などの寒地向け、 温暖な地域用の暖地向けを含め、総数888両が製造され、全国各地の非電化路線を中心に活躍しました。
キハ40形2000番代は両運転台の暖地向け車両で、西日本を中心に一部は関東や東北でも運用されました。現在は数を減らすも、塗色変更や更新工事など経て、姿を変えながら各地のローカル線や一部は私鉄にも譲渡され、活躍を続けています。
製品は、キハ40形2000番代を登場時の「首都圏色」と呼ばれる「朱色5号」の一色塗装をまとった姿でモデル化し、各窓のHゴムはグレーで再現、単品でモーター付とモーターなしを発売いたします。また、昨年発売した『キハ40-1700形』の各製品とは、同じキハ40形ながらも番代と時代設定の違いから、各部のディテールを作り分けています。

オリジナルのDMF15形エンジンを搭載する床下周り

キハ40形2000番代の床下機器(公式側)
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります
キハ40形2000番代の床下機器(非公式側)
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります
モーターの位置を中央からズラすことでエンジン周りも実感的に再現
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります

機関やその関連機器が並ぶ床下周りは、ディーゼルカーの見どころの一つです。キハ40形2000番代では、キハ40系の他の形式・番代と同様に、同系用に設計された220馬力のDMF15HSA形エンジンが搭載されました。
製品では、キハ40系が登場時に搭載していたオリジナルのDMF15HSA形エンジンを始め、ディーゼルカーの心臓部とも言える機関周りを中心とした床下機器の再現にこだわりました(写真上・下)。モーター付とモーターなしで共通の床下機器は、モーターの位置とモーターカバーを車体中央からズラすことでエンジンや液体変速機の形状を作り込み(写真左)、別パーツ化したマフラーなどと共に床下機器の立体的かつ実感的な見栄えを追求しています。

国鉄時代の姿を模して各部の特徴を実感的に再現

2エンド側の屋根上にある水タンクを再現
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります
上段・下段上昇の2段上昇式サッシ窓を再現
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります

キハ40系の内、トイレ付の車両として設計された形式・番代では、新製時に屋根上にトイレ用の水タンクが設置されました。また、暖地向けのキハ40形2000番代では、客室内に保温のためのデッキは設けられず、側窓は上段・下段上昇の2段上昇式サッシ窓が採用されました。後年、更新工事が行われた際、水タンクの車内移設により屋根上にあった水タンクが撤去された車両やトイレ自体が撤去された車両、側窓が変更された車両など、登場から40年以上が経過した現在では、「首都圏色」から各地域独自のカラーリングへの塗色変更などと共にさまざまな変化が見られます。
製品は、国鉄時代のキハ40形2000番代を模して、2エンド側の屋根上には水タンクを搭載し(写真左)、側窓は原形の上段・下段上昇の2段上昇式サッシ窓(写真右)とした新製時の姿を再現しています。なお、製品はキハ40-1700形とシートを共用しているため、デッキの仕切りがありますが、カットしていただくことでデッキのない姿にすることも可能です。

別パーツによる選択式とした前面部のタイフォン

シャッタータイプのタイフォンを取り付けた前面部
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります
スリットタイプのタイフォンを取り付けた前面部
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります

前面部をご覧ください。製品ではタイフォンを別パーツ化しており、シャッタータイプ(写真左)とスリットタイプ(写真右)の2種類から、お好みのものをお選びいただけます。実車では「首都圏色」の時代、シャッタータイプの割合が高かったのですが、模型での再現の幅を広げ、選べる楽しみの要素として、タイフォンはユーザー選択式によるパーツ取り付けとしています。また、タイフォン脇のジャンパ連結器格納用の窪みは、実車においてフタで塞がれていた状態を再現しています。
ちなみに発売中の『キハ40-1700形』では、モデルとした実車の時代設定に合わせて、いずれもタイフォンは撤去後の姿とし、ジャンパ連結器の格納スペースにフタがなく、窪みが露出した状態を再現しています。

数少ない“国鉄型”として、現在も活躍を続けるキハ40形2000番代。
そのオリジナルの姿を再現した製品は、今春の発売に向けて鋭意開発中です。
次回のHO情報室もどうぞお楽しみに!