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実車紹介・製品概要

117系0番代(新快速)実車写真

1979年に登場した117系は、国鉄が開発した直流近郊形電車です。競合他社が多い京阪神間で運転されていた「新快速」の153系(「153系(新快速)Vol.1」参照)は、速度や利便性で健闘しましたが車両の老朽化が進行し、私鉄の車両と比較して見劣りが出てきたため、その打開策として117系が同区間に配属されました。充実した各私鉄特急車に対抗するため、キハ66・67形に準じた転換クロスシートや木目調の室内装飾など、従来の近郊形電車より上級な設備が施され、画一的だった国鉄車両に地域差を採り入れた車両となりました。また、先に開発されたキハ66・67形と類似した2ドアの側面に、非貫通の前面は当時の国鉄車両とは一線を画す斬新なデザインながらも、「新快速」の前身である「関西急電」をイメージした「クリーム1号」をベースに「ぶどう色2号」の帯をまとった塗色で落ち着きも兼ね備えた姿となりました。その後「新快速」に221系が投入されると徐々に「新快速」の運用から外れ、代わりに各地へ転用され地域ごとの塗色に変更された車両も登場しました。2023年7月に岡山地区での定期運転から離脱したことで、現在では117系の普通列車での運転は終了しています。
製品は、老朽化が進んでいた「新快速」の153系の後継車として登場した117系をモデル化し、0番代の6両編成をセットにまとめました。2セット使用することで、併結して12連運用された姿もお楽しみいただけます。

特徴的な前面形状をプラスチック成型によりシャープに再現

先頭車の特徴的な前面形状をプラスチック成型によりシャープに再現
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります
側面から見ると「く」の字形をしている先頭車の前面形状
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります

先頭車クハ117形及びクハ116形の前面形状は丸みを帯びていて、「鼻筋」の通った流線形に非貫通高運転台という独自のデザインが採用されました。
製品では、複雑なカーブが織りなす特徴的な前面形状をプラスチック成型の長所を活かしてシャープに再現し、丸みを帯びたフォルムと(写真左)、側面から見ると「く」の字形をしている流線形のシルエット(写真右)を実感的に模型化しています。

従来のクーラー、台車を新規製作により再現

クーラーは網目越しに見える羽根もしっかり再現
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります
DT32H形台車(モハ用・写真上)とTR69K形台車(クハ用・写真下)を新規製作で再現
※写真は試作品の為、実際の製品と異なる場合があります

117系は屋根上の中央に集中式クーラーを搭載し、その両脇には新鮮外気導入装置が設置されています。そのため、従来の車両に設置されていた押込形ベンチレーターは廃止されました。また、台車は高速走行時の特性や、乗り心地の良い空気バネ付台車を使用していた153系の置き換え用であることなどから、近郊形電車の標準タイプであるDT21系台車ではなく、特急形・急行形電車で使用実績のあったDT32系台車が採用されました。
製品では、117系0番代が登場時から搭載していたクーラーと台車を再現しています。今回より新規となったAU75B形クーラーは、金網越しのファンの見え方などを従来よりも実感的に再現しており、両脇の新鮮外気導入装置と相まって屋根上の印象を引き締めています(写真左)。また、DT32系台車は、モハ用のDT32H形(写真右上)とクハ用のTR69K形(写真右下)をいずれも新規製作しています。なお、写真のTR69K形は、スノープロウを台枠と一体成型で再現した前位側用です。

11月の発売に向けて鋭意開発中の『117系(新快速)』。
次回も同系の製品の見どころの数々をお届けする予定です。
どうぞお楽しみに!