ドーム周辺の手すりは2種類のパーツから選択可能
タキ3000形は、1947年より製造が開始された30t積のガソリン用タンク車で、約1500両が製造された国鉄時代を代表するタンク車でした。ガソリン輸送を中心に一部の車両は化成品輸送などにも使用されましたが、タキ35000形、タキ43000形などにより置き換えられ、2000年頃に全車が引退しました。長期間に渡って製造されたことや、製造メーカーが多岐に渡っていたことから、タンク体や各種装備には非常に多くのバリエーションが存在していました。
製品は、上級者向けの組立キット形式のタキ3000形を2両セットとしています。タンク体両端の鏡板とドームの頂部はパーツの選択により、形状の異なる2種類を製作可能です。また、ドーム周辺の手すりはこれまでのプラパーツに加えて、新たにエッチングパーツが付属します。細密感に優れるエッチングパーツは、取り付ける際に折り曲げ加工が必要となりますが、曲面に沿う繊細なディテールを再現することが可能で(写真左)、扱いやすいプラパーツ(写真右)との2種類から、お好みの仕上がりや工作スキルに応じて選べる構成としています。なお、写真左の組立例では車体に塗装を施しています。
社紋板のランナーパーツが付属
実車は所有会社も多岐に渡っており、社紋板の有無や形状に会社ごとの違いが存在した他、一部は他社へ移籍する場合もあり、以前の社紋板の上に新しい社紋を表示するケースや社紋板は残したまま新しい社紋をタンク体に直接表示するケースなど、同じ所有会社でも外観に違いが存在しました。
製品では、社紋板のランナーパーツを付属しています(写真左)。タンク体に掲出される社紋を立体的に再現すると共に私有貨車ならではの個性を引き立て、時代や所属先に応じた作り分けも可能です(写真右)。
付録の内容も多彩な2種類の転写シート
タキ3000形の基本設計は他のタンク車にも使用されており、重油専用のタキ1500形やメタノール専用のタキ5200形など、見た目の近しいタンク車が多数存在していました。
製品では転写シートが2枚付属し、1枚目には「日本石油輸送」「日本陸運産業」「石油荷役」の社紋・社名やタキ3000形として組み立てる際に使用する標記が収録されています。
2枚目は他の形式をイメージして組み立てる際に使用できる付録となっており、石油類専用のタキ1500・2100・23700形などの標記やタキ5200・6900形などの化成品輸送に使用された車両の標記、常備駅を収録しています。これらは全長や形状などに異なる箇所はありますが、お手軽にバリエーションを増やすことが可能です。