近郊タイプのE231系の先頭車を新規製作
JR化後も残る“国鉄型”の電車をさらに置き換えるため、JR東日本が209系やE217系などを基本に、“第2世代”の新系列電車として誕生させたのがE231系直流電車です。このE231系は「一般形」と称して、従来の「近郊形」と「通勤形」の区切りを廃し、設備面の違いによる番代区分を行いながらも同一形式とされています。近郊タイプのE231系1000番代の国府津車は、東海道線用として2004年に登場しました。同車はユニバーサルデザインを推進したのが特徴で、客ドア開閉時のランプの設置や防火対策として3編成目以降に貫通扉の増設などが実施されました。
また、E231系列では初の2階建てグリーン車も登場し、これに合わせて2000年から新製投入されていた小山車(宇都宮線、高崎線用)へのグリーン車導入も並行して行われ、国府津車では新製された8両に小山車から組み換えで捻出された初期型サハを6・7号車に組み込み、変則的な編成となった姿も国府津車ならではの特徴となっています。同車は現在、上野東京ラインと湘南新宿ラインの定期列車で活躍中です。
製品は国府津車両センターに所属するE231系1000番代をモデル化、基本編成(1~10号車)の内、両先頭車(1・10号車)とモハユニット2組(2・3・8・9号車)による6両を基本セットA、グリーン車2両(4・5号車)とサハ2両(6・7号車)による4両を増結セットとし、付属編成(11~15号車)の5両を基本セットBにまとめ、最長15両の編成を組むことができます。
また、近郊タイプとして衝撃吸収構造の広い運転台、HIDランプ(高輝度放電灯)からLEDに交換されたヘッドライトの輝点や各先頭車で異なるスカートの形状(写真左・右)、セミクロスシート車のシートを新規製作で再現しています(写真下)。
6・7号車のサハE231形は初期型の特徴を再現
基本編成に2両組み込まれたサハE231形1000番代は、前述の通り小山車両センターから転属した初期型であるため、付属編成に1両組み込まれた同形とは製造時期の違いより、細部の仕様が異なります。
製品ではその形態差を作り分けており、6・7号車のサハE231形1000番代は幕板部に車外スピーカー蓋がなく、クーラーはAU725A形を搭載する姿を(写真左)、14号車の同形は幕板部に車外スピーカー蓋があり、クーラーはAU726A形を搭載する姿を(写真右)それぞれ再現しています。