前面部連結器周りの細密化を向上、方向幕シールを裏貼り化
583系は、車両の増加で圧迫していた車両基地や運用に対応するため、昼は特急列車、夜は寝台特急列車の昼夜兼用特急電車として製造された581系を交流50・60Hz両対応にした車両で、1968年に登場しました。高運転台の前頭部は併結時、車両間を行き来できる貫通扉を備えながらもその卓越したデザインは、後の特急電車の前頭形状に波及しました。国鉄の分割民営化時に、141両の583系がJR東日本に引き継がれましたが、同系は年を追うごとにその数を減らしました。青森から仙台に転属した「N1・N2編成」の6両は、埋められた前面貫通扉や側面非常口の元分割部に溝を入れ、開閉可能なように見せるなど、形態にこだわった修繕が行われた後、臨時列車やリバイバル列車などで活躍、最後に残った583系として行く先々で人気を集めました。
製品は、583系「N1・N2編成」をそのまま6両セットでモデル化し、塗色を始めとする外観を実車に則して再現しています。また、トミックス1/80スケール・16.5mmゲージでは、2001年に『583系(クハネ581/583)』を発売しましたが、今回の製品では先頭車の前面部連結器周りの細密化を向上すべく、ジャンパ栓パーツの形状を見直すことで、スカート周りをよりリアルに再現しています(写真左)。車側表示灯は取り付け済みとし、各形式の側面表示窓を別パーツ化(写真下左)、裏貼り式のシールを採用し、幕式の方向幕のイメージを再現しています(写真下右)。
パンタグラフは車両の前後で異なるシューの形状を再現
583系の中間車モハネ582形にはパンタグラフが2基搭載されていますが、「N1・N2編成」では時期により前後で異なるシューの形状が見られました。
製品では、ドア側を従来のシューが先端まで一体型のもの(写真左)、トイレ側をシューの先端がパイプ状のものに交換後の姿としています(写真右)。グレー床下の時代の後期には、両側ともパイプ状のシューとなっており、今回の製品ではその過渡期の特徴的な状態を再現しています。なお、妻面にはその時期に合わせた検査標記を印刷済みとしています。
トレインマークは「臨時」を装着、各リバイバル列車を付属
製品では、印刷済みのトレインマークは「臨時」を装着済みとしており、ヘッドライトは電球色LED(テールライトは赤色LED)、前面表示部は白色LEDによって実感的に点灯します(写真左)。交換用のトレインマークは、実車の編成前後で文字とイラストタイプになっていたリバイバル運転時の「はつかり」「ひばり」「みちのく」「ひたち」が1個ずつ付属します(写真右)。さらに別売のオプショナルパーツとして、「N1・N2編成」で運用された「あいづ」「わくわくドリーム号」「ゲレンデ蔵王」「あけぼの」を各2個収録した『トレインマーク(583系JR東日本N1・N2編成用)』もラインナップいたします。
また、同時リリースとなる国鉄仕様の『583系(きたぐに)』の基本セット(6両)と増結セット(6両)は、向日町運転所に所属していた両端がクハネ581形の編成を再現し、トレインマークは「きたぐに」を装着済みで、イラストタイプの「雷鳥」と文字の「急行」が基本セットに付属します。







