埋められた前面表示器、布製タイプの連結器カバー
475系は交直流急行形電車455系の60Hz対応仕様として、北陸地区と九州地区に配置されました。国鉄末期から始まった急行列車の削減などにより、北陸地区の475系は1985年3月のダイヤ改正でローカル輸送用へと転じました。また、同時期に「赤2号」を基調色に「クリーム色10号」の帯を入れた地域色に塗り替えられましたが、JR西日本への継承を機に、「オイスターホワイト」をベースに「ライトコバルトブルー」の帯を入れた塗色に変更されました。
製品は、この新塗色をまとった475系のセットを2種類ラインナップしています。通常品はクモハ475・モハ474・クハ455形の3両セット、特別企画品はサハ455形を含む6両セットとし、北陸地区特有の装備の数々を再現しています。両製品共にクモハ475・クハ455形の前面の列車種別表示器は、つららによる破損防止のために埋められ、クモハ475形の運転台上部のベンチレーターは、片側が撤去された姿を再現、屋根上のホイッスルは選択式パーツが付属します(写真左)。さらに着雪防止などを目的として取り付けられていた前頭連結器カバーは、新規製作のパーツで布製タイプのものを再現しています(写真右)。
細部を作り分けたモハ474形のパンタグラフ
ここからは両製品の細部の作り分けをご覧いただきましょう。モハ474形はいずれも屋根上のパンタグラフ横のルーバーが撤去された姿としており、搭載しているパンタグラフもPS16H形ですが、通常品では集電シューの先端のパイプが1本の姿を新規製作で再現しています。もう一方の特別企画品ではモーター付、モーターなしの車両共に、集電シューの先端が舟形の姿を再現しており、製品ごとに細部に変化をつけています。
ベンチレーターの有無や異なる座席配置を再現
475系の一部の車両は、後年に雨水などの侵入による車体の腐食を防ぐため、屋根上のベンチレーターが撤去されました。通常品ではいずれもベンチレーターが撤去された姿を再現しており、特別企画品ではベンチレーターが撤去される前の姿としています(写真左)。また、室内はローカル輸送への転用に伴う混雑対策として順次、車端部のドア付近の座席がロングシートに改造されました。通常品ではそのセミクロスシート化された座席配置を再現し、特別企画品ではすべて未改造のクロスシートを再現しています(写真右)。