両編成で異なる屋根上と側面のディテール
JR東日本新潟車両センターに所属する115系1000番代のN40編成は、旧型国電の70系がまとっていた赤と黄色の「新潟色」を「湘南色」と同じ塗り分けで再現した編成で「懐かしの新潟色」と呼ばれています(写真左)。N38編成は115系1000番代のトップナンバーが揃った編成で、新潟地区に同系が初めて配置された時の「湘南色」を復刻しています(写真右)。
「懐かしの新潟色・N40編成」は、屋根上のクーラー脇にあるランボードの側面が斜めになっており、トミックスの1/80スケール・16.5mmゲージ『115系』シリーズでは初めてこのタイプをモデル化しています。また、製品では車体中央のドア横のルーバーの有無や、両編成で異なるベンチレーターの配置も再現しており、実車の製造時期の違いや、リニューアル改造の有無による主な個体差を作り分けています。
いずれも元長野地区所属車の特徴を再現
実車はいずれも元長野地区所属車で、その特徴のひとつでもある台座の低いPS35A形パンタグラフを、製品では新規製作しています(写真左)。また、特定の編成を再現しているため、車体番号や所属・検査標記などは印刷済みとし、実車が冬季間にドアレールにヒーターが入るため、ドア下に掲示されている「あつい!」の注意喚起表示は、転写シートによる貼り付け式としています(写真右)。
床下機器、台車の軸受の違いも再現
中間車モハ114形の床下にある補助電源装置は、「懐かしの新潟色・N40編成」ではMG(電動発電機)ですが(写真左上)、「湘南色・N38編成」では車両更新工事の際にSIV(静止形インバータ)へ変更されました(写真右上)。また、台車の軸受も「懐かしの新潟色・N40編成」では原形のものが使用されていますが(写真左下)、「湘南色・N38編成」では密封コロ軸受化されています(写真右下)。
製品でもそれらの特徴を捉えて、床下機器はもちろんのこと、台車の軸受の差異も作り分けています。