M42オリオン座の大星雲 BORG101EDII+7870+YUETSU27g+LMF-1+冷却CCDカメラ ST2000XM L画像300秒x8枚 RGB 各300秒x3枚(2x2ビニング) 2011/12 撮影者:やね様
<撮影者のコメント>
中川様、以前皆既月食の写真を投稿しました、やねといいます。このたび101EDII+7870を冷却CCDカメラで撮る機会がありましたのでお送りします。年末に撮ったオリオン大星雲です。7870は101EDIIと相性がいいようです。月食の時に感じましたが、この対物レンズ、不思議と透明感のある色がでますね。私も101EDIIを購入するときに作例がなくて・・・・買おうかどうか迷いましたので。101EDIIは7878も使え、500mm、450mmという焦点域でF5以下ということで天体撮影での実用性が高いと思います。
<中川コメント>
さすがに冷却CCD、写りが違います。生産中止になった101EDIIですが、こんなに天体ブームになるのでしたら、生産中止は早まったかもしれません。やね様も書かれている通り、101EDIIは不思議な透明感のある描写をするレンズですね。中古で見つけたら買いかもしれません。また、従来のBORG100ED、101ED、101EDII、100アクロマートをお持ちの方から、金環日食を撮影したいのだがD5フィルターはどこに装着すれば良いのか?というご質問が多いのですが、現在「対物キャップを加工して82mmのフィルターが装着できるパーツ」を限定で生産中です。今しばらくお待ちください。
P.S.年末にBORG71FL・SWセットを購入されたⅠ様から嬉しいメールが届きましたので、ご紹介します。「カメラをはじめた頃、天体写真が撮りたかったのですが、調べれば調べるほど無理だと痛感し、諦めていたのですが、最近の中川さんのブログを拝見していましたら、諦めていた天体写真への興味が急速に高まってきました。・・・の所へあの天体カレンダーと天文手帳・・・導かれているようでした(笑)。今後、天体写真を始める事になったあかつきにはお忙しいとは思いますが、アドバイスよろしくお願いいたします。」とのことです。いやあ、嬉しいですね。しかも女性からです。やはり、今まで天体写真の敷居は高すぎたのです。これから始めたいという人に対してあまりに冷淡すぎたのです。しかし、これだけデジカメが低価格で高性能になった今、天体写真が難しいなんてもう過去の話なのです。デジカメを空に向けてシャッターを切れば誰でも簡単に星が写せる時代になっているのに、供給側の一方的な思い込みが邪魔をして「あんたなんかに天体写真は無理だよ」という姿勢を無意識にしていたのだと思います。2012年は、まず供給側のスタンスを変えなくてはいけないのです。
P.S.2 50FLユーザーのY様からは、ブログのご紹介です。趣味の「デジタル一眼、BORG、デジスコ、生録」日記というブログですが、役に立つ記事が満載で驚きました。NEX5Nのリモコンの情報など、まさに私が知りたかった情報そのもので、非常に役に立つ情報源としても大変貴重なブログだと思いました。50FLに目を付けられる方は、先日のジオマボーグの方もそうですが、機材に対する造詣が深いというか、表向きのスペックだけを追いかけずその中身を見る目が鋭いというか、柔軟性があるというか、そういう感じの方が多いのが特徴です。その50FLですが、年明けの注文殺到で品切れしました。次回の入荷は1月末の予定です。お急ぎの方は、販売店の在庫を探してみてください。
P.S.3 ラブジョイ彗星ですが、その後も尾はかなりの長さを保っているようです。こういう大彗星の出現も昨今の天体ブームに一役買っていると思いますが、それを裏付けるように今日も怒涛のご注文、ご質問、新規のカタログ請求の嵐で、1日に100台以上のBORGの受注がありました。今からこんなに注文が来たら、金環日食の直前はどうなることやらと心配でなりませんが、以前も書いた通り、BORGの供給量には限界がありますので、最後は断るしかありません。例えば、オリオン大星雲のような冬の星雲・星団を撮影したい場合、実はチャンスはそうはないのです。今は満月近くですから月明かりがあり、撮影にはあまり向きません。2月になると透明度が落ちてきて、今のような澄んだ星空は望めなくなります。3月は黄砂です。となると1月23日の新月前後が事実上のラストチャンスかも?レデューサーの7870も凄い勢いで売れています。これはすぐにはなくならないと思いますが、早い方が無難だと思います。
P.S.4 今日の天体写真関連のご質問で多かったのが、「ブログの画像のようによく写らない」というものです。該当する画像を送っていただいて気が付くのですが、そのほとんどがピンボケなのです。ご自分では合わせているつもりが実は合っていない、液晶では合っているようだが、パソコンで拡大してみるとボケている、このパターンが実に多いということに今日改めて気付かされました。私は天体写真歴37年(ブランクなしの正味37年)の大ベテランですから、ピントが合わないという感覚は正直分からないのです。それなりのカメラを使えば、合わないほうがおかしい、という感覚なのですが、たぶんこの偉そうなスタンスがいけないのでしょう。今後はピントあわせのコツも丁寧にご説明していきたいと思います。ピントが合っていて、ブレが無ければ、BORGなら誰でもシャープな天体写真、野鳥写真が楽しめます。これは事実です。そのプロセスの説明に時間と労力を割きたいと思います。「これなら自分でも撮れそうだ」と思ってもらえるような情報発信を心がけていきたいと思います。そういえば、年末にお取引先の方とカワセミ撮影をしたときのことですが、お二人とも71FLの前に保護フィルターを装着していて唖然としました。保護フィルターはBORGの高解像力を確実にスポイルしますので、装着してはいけないのが「常識」なのですが、大切なレンズを守るという観点からは装着するのも「常識」なのです。そこで、撮影時には外して非撮影時には装着するという折衷案が出てきます。そんなことも丁寧に書いていきたいと思います。
P.S.5 今日は書くことが多すぎます。最近、BORGユーザーのブログを拝見していると、野鳥のブログの中に「今年は天体写真に挑戦したい」とか「天体写真も並行して撮影しています」というような記述が目立って増えてきていることに気が付きました。これは実に嬉しいことです。野鳥ファンの方は非常に頭が柔らかく、分野違いであっても好奇心が旺盛な方が多く、試しに撮ってみようというフットワークが軽い方が多いようです。BORGにとっては大変有難い存在です。天体も野鳥も実は結構共通した技術や撮影手法があって、それぞれの分野にフィードバックできる事も多いので、同じ機材で撮影できるなら撮ってみたほうが得るものが実は凄く多いのです。そこに気が付いた方々が急増しているというのは大変よいことです。天文雑誌も、他分野から参入してきた人が見て参考になる記事を書いて欲しいと思います。そうすれば、天文雑誌は待望の新規読者を獲得でき、ひいては販売店もメーカーも潤うはずです。業界全体が新規顧客獲得に向けてどういう努力をしていくのか?そのスタンスが問われる2012年だと思います。
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