BORG WORLD 画像作例集
2014年1月10日 13:17 90FL,web カメラ,惑星,月面

2014X1(コンパクトエクステンダー2[1].2x 月齢7.9).JPG
2014/01/09の月面 2014X1+LMF-1【9868】+7861+コンパクトエクステンダーメタル2.2x【4603】+モノクロWEBカメラ 撮影:中西直樹様 モザイク合成

<撮影者のコメント>
こんにちは、中川さん。中西です。早くも、2014X1レポート第5弾 月撮影・観望編です。(ただし、2014年夏発売予定ということなので、少しずつ順不同の公開のようです。)

いつ曇るか分からないので、まず撮影から始めました。撮影当日は、冬の平均的なシーイングでしたが、透明度は良かったです。WEBカメラの画像をモニターで見ると、大きな揺れはかなりあるものの、小刻みな揺れは意外と少ないので、何とか作品になりそうと判断し撮影を開始しました。

機材は、2014X1+コンパクトエクステンダーメタル2.2x【4603】+モノクロWEBカメラです。機材写真はまだ非公開ですが、今回の特徴はLMF-1+M57ヘリコイドLを組み合わせているところです。星雲の撮影では、メモリのあるM57ヘリコイドLがお気に入りですが、月の撮影などでピントを合わせるときは、LMF-1【9868】の方が、圧倒的にやりやすいです!微動のつまみが、あまりに滑らかなので、鏡筒も揺れずピントを追い込みやすいです。LMF-1はそれなりのお値段がしますが(笑)、それだけ、いえそれ以上の価値があると感じました。このアイテム一つで、作品のクオリティーがアップできそうです。(特に、今回のようにシーイングがあまり良くない時は、素早く微動できるので、非常に有効です)

さて、今回も、動画を撮影して静止画に変換してモザイク合成して仕上げました。冬のシーイングなので、まだまだ2014X1の全能力を引き出しているとは言えませんが、CP+での大パネルでもいける作品に仕上がったと思います(喜)。夏の安定したシーイング下なら、天文ガイド最優秀賞受賞時の作品を大きく超えることができるのは間違いないと思います。

撮影後、月の辺りはまだ雲が切れていたので、何とか観望もできました。まず、Borg Or18mmで見てみました。この倍率だとさすがに小さくまぶしいです。ただ、驚くべきことに月縁に色収差が判別できません。

続いて、Or12.5に倍率を上げました。透明度がよく、高度が高いのもあると思いますが非常にくっきり見えます。さらに、Or5にしましたが、非常にシャープです。迫力もでてきました。今度は、Or5の前に、コンパクトエクステンダーメタル2.2x【4603】をいれました。像は非常にシャープなままです。シーイングが落ち着いた瞬間の見え味は感動ものです。個人的には、これまでで見た一番美しい月だと感じました!色収差が、ほとんどないですし、球面収差もよく補正されているので、くっきり見えるのでしょう。また、周辺部でも崩れないのが印象的です。よく言われることですが、宇宙船の窓から見ている感じです。(ただ、ここまで明るく、よく見えると、双眼装置を装着したくなりますねー)

少し大げさかもしれませんが、子供のとき、初めて購入したビクセンの6cmF15アクロマートで、月を初めて見た時の感動に近いものがありました。(ベランダで一人で、「おー凄い」と唸っていました)やはり、2014X1&コンパクトエクステンダーメタル2.2x【4603】&BorgのOrアイピースが全て高性能だからでしょうね!一日も早く皆さんにも、この感動に浸っていただきたいです!

それにしても、こんなに見えるのなら、写真撮らなくてもいいかなー?と思ってしまうほどでした(笑)(中川さんに、怒られますので半分冗談ですが、それくらい、よく見えるということです) あえて残念な点といえば、もっと倍率を上げたかった、ということくらいでしょうか?

できれば、Borg純正で、さらに焦点距離の短いアイピースや、もう少し倍率の高いエクステンダーのラインナップを望みたいところです(あとで考えると、コンパクトエクステンダーメタルとOrアイピースの間に延長筒を入れるという手もありました・・・)。以上、よろしくお願いします。

<中川コメント>
2014X1モニターの中西さんからの月面写真レポートです。今回は私は多くを語りません。画像が真実を語っていると思うからです。昔話で恐縮ですが、この中西さんの月面写真で思い出したことがあります。1980年代の天文雑誌のフォトコンで一世を風靡した北海道の工藤実さん(工藤実氏処方という軟調現像液もあった)というモノクロのTP2415による月面写真の名手がおられましたが、その工藤さんの月面写真を初めて見たときの衝撃を思い出したのです。後頭部をがーんと殴られたようなショックです。フィルム時代の月面写真の頂点のひとつに工藤さんの写真があったとすればデジタルの月面写真の頂点のひとつに中西さんの画像がある、というようなイメージでしょうか?

2014X1(コンパクトエクステンダー2[1].2x 木星).jpg
2014X1による木星 2014X1+4603+イメージングソースカラーWEBカメラ 撮影者:中西直樹様

<撮影者のコメント>
2014X1レポート第二弾 木星撮影編 & 2014X1レポート第三弾 天体観望編です。先日のブログで、125SDの新品が完売したことがアナウンスされました。と同時に、「その後は、この2014X1がBORGのフラッグシップモデルとなる予定です」とも告知されました。スペックに関しては、CP+2014までは秘密とのことですが、皆さん、色々妄想して楽しんでおられることと思います。

きっと皆様が妄想されているようなスペックなので(笑)、レンズをよく温度順応させて木星の撮影を行ないました。撮影機材は、2014X1 + コンパクトエクステンダーメタル2.2x + イメージングソースカラーWEBカメラです。ちなみに、撮影日は、大赤斑がちょうど見えるという意味ではラッキーでしたが、シーイングは冬の平均的なレベルで、正直あまりよくありませんでした。

あと、中川さんが、2014X1のことを「被写界深度が非常に浅い」と言っておられることから妄想できるように、明るいレンズなので、もうちょっと倍率をあげたいところです。シーイングがよくなれば、Borg Orアイピースでもっと拡大して再チャレンジしたいですね。というのが、今回の作例は、ピクセル等倍ではありません。

画像処理中に数倍に拡大してます。(何倍かは、また妄想してください。すいません)つまり数分の一に縮小していただくと初めて、ピクセル等倍画像になります。惑星を撮影したことがない方は、想像つかないくらい小さい対象です。

ちょうど、木星は衝を迎えたばかりですので、ぜひ皆さんもお手持ちのBorgで撮影に挑戦してみてください!今回はWEBカメラを使用していますが、デジタルカメラでも縞模様くらいは簡単に写せますよ。(もちろん、ピントをしっかり合わせること、ブレを防ぐこと、シーイングを選ぶことなどは大切です)

続いて、2014X1レポート第三弾 天体観望編です。木星を撮影した同日に、木星の観望も行ないました。Borg Or5mmを使用してみたところ、非常にくっきり見えます。シーイングは、前述の通りあまり良くはありませんが、まだまだ、いけそうだったので、Borg Or5mmの前に、コンパクトエクステンダーメタル2.2xを入れました。結構な倍率ですが、シーイングがよくなった瞬間は、縞模様の詳細や大赤斑がよく見えて、とても感動しました!

シャープなのはもちろんですが、コントラストよく見えるのが印象的でした。実は、20年選手の20cmシュミットカセグレンも所有しています。シュミットカセグレンは、光軸調整が非常にシビアで少しずれるだけでも悲惨な像になってしまいます。一応、天文ガイド・星ナビ両誌に、月面の拡大撮影で入選させていただくレベルには調整できているのですが、コントラストが悪く眼視ではあまり見えません(泣)

2014X1の木星を、妻にも見せましたが、シュミットカセグレンよりも、よく見えると言って、喜んでいました。やはりコントラストが高いので細かい部分まで見えやすいのだと思います。比較として、名品と呼ばれているPentax Or5mm+テレビューパワーメイト2.5xに変更して木星を見てみました。正直甲乙付けがたいレベルです。あえて言うと、どちらがよいというわけではないですが色味が若干異なります。

続いて、散開星団も観望しました。M41ですが、シリウスのすぐ近くにあるので手動でも簡単に導入できます。また、それなりに大きく綺麗なのでお勧めです。

まずは、導入目的で、ビクセンのPL40mmを使用しました。このアイピースは大体のBorgで、最低倍率付近になります。見かけ視界が少し狭いのが惜しいですが、光害地でも微光星や淡い星雲がよく見え、お気に入りです。ここまで倍率を下げると、M41が全ては分解せず、若干星雲状に見え、その中に明るい星がきらめいて見え、非常に美しいです。

今度はBorg Or18mmに変えると、星がきちんと分解して見えてきます。あと、バックグラウンドも暗くなって、星の輝きが増すように感じます。まさに、天然の宝石箱のような美しさです!Borgを撮影にしか使用しておられない方も多いかと思いますが、正直言ってもったいないです!光軸調整が難しかったり、筒内気流に悩まされる反射系の望遠鏡とは違って、性能をコンスタントに出せるBorgを、撮影だけでなく観望にもぜひ使用しましょう!観望なら多くの人と楽しめますし、稼働率が上がること間違い無しです。

2014X1(コンパクトエクステンダー2[1].2x 撮影仕様)mj.jpg
2014X1(試作品)+LMF-1【9868】+7861+コンパクトエクステンダーメタル2.2x【4603】+モノクロWEBカメラ 撮影:中西直樹様
<中川コメント>
初公開。えっ?こんなに小さいの?もしかして夢のレンズ?今日はここまで! 

P.S.ボーグ60EDユーザーのamnesiac-moonさんから情報です。「青空の中の細く白い金星と国際宇宙ステーションを撮影しました。よろしければ以下からご覧ください。金星http://amnesi3.exblog.jp/21503559/ 国際宇宙ステーションhttp://amnesi3.exblog.jp/21503908/」 いつも情報ありがとうございます。今日も多くの投稿画像が届いています。なかなか掲載できず申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。

P.S.2 長い1週間(4日から出勤しているので丸1週間勤務)でしたが、明日から3連休です。私の方は2014X1でカワセミの試写の続きを予定しています。4月から消費税アップということで、今日も駆け込み的なお問い合わせやご注文が相当きています。誠にありがたいことですが、2014年夏発売予定の2014X1もお忘れなく、ということも同時に申し上げなくてはいけません。いずれにしても、望遠撮影はボーグにしておけば安心です。昨日の新製品の打ち合わせも大いに盛り上がり、BORGの未来がさらに明るくなりました。アルバイトも絶賛募集中です。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 

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