BORG WORLD 画像作例集
2013年5月 7日 14:52 36ED,EOS60D

36ED(夜景 絞り開放).jpg

 夜景1(絞り開放) BORG36ED+絞りM42P1+EOS60Dボディ ノートリミング 撮影:中西直樹様

36ED(夜景 絞り中間).jpg

夜景2(絞り中間) BORG36ED+絞りM42P1+EOS60Dボディ ノートリミング 撮影:中西直樹様

36ED(夜景 絞り最小).jpg

夜景3(絞り最小) BORG36ED+絞りM42P1+EOS60Dボディ ノートリミング 撮影:中西直樹様

<撮影者のコメント>
こんにちは、中川さん。中西です。36ED第四弾レポートは夜景編です。実家に帰省した際のテストなので、撮影場所を選べず、作例レベルではないですが、36EDの画質の素晴らしさと、絞りの変化がよく分かるテスト画像が撮れました。

これまでの一般写真や、天体写真の撮影で36EDの凄さは、既に実証済みとは思いましたが、レンズの性能がよく分かる夜景のテストにも挑戦してみました。正直、収差が大きい一般のカメラレンズではあまりテストしたくない分野です(笑)

ちなみに、撮影距離は2Km以上離れていますがこのシャープさです!(ピクセル等倍画像でも、ほぼ1ピクセルまで解像しています)

尚、機材の構成は、先日の動物園仕様(ZOOBORG)と同様です。まず、絞り開放の場合、非常に僅かですが一部の明るい照明の周りを見ると色収差があるような気がします(ちなみに、ほとんどのカメラレンズでは、照明の周りに、かなり派手に色収差がでます)。ただ、一般写真では全く気になるレベルではありません。指摘されても、ほとんどの人が気づかないレベルだと思います。

また、究極のレベルが求められる、天体写真においても問題になることは、ほとんどないレベルと思われます。しかも、補正レンズで、色収差はさらに補正されるはずですので、実際には何の問題もないというか、EDレンズで、しかも望遠鏡としてはF5.6という超明るい設計ですが非常に素晴らしい性能だと思います!

続いて周辺部ですが、現時点では補正レンズがまだありませんので、大きく流れますが、これは、2枚玉なので、やむを得ません(ただし後ほど述べるように絞りで大きく変化します)。補正された周辺画像に関しては新しい補正レンズを心待ちにしたいと思います。

次に、若干絞ってみましたすると、開放でごくわずかにあった色収差も完璧になくなりました。正直どんなに目をこらしても3色分解しても全く分かりません。次に、中央部の解像度に関してです(あくまで、ピクセル等倍のレベルです)。絞り開放でも、ほぼ完璧なシャープさでしたが若干絞ることによって、驚くべきことに、さらにシャープになっています(開放でも素晴らしい描写なので僅かな差ですが・・・)。

あと、絞り開放との大きな違いは、光条が発生することです。これに関しては好みがあると思います。ただ、いずれにしても絞りの簡単な動作によって、光条の有り無しどちらも選べるのは大きなメリットではないでしょうか?また、少し絞られることによって、周辺部の流れが少し収まってきているのが分かると思います(ただ、絞り量がまだ少ないのでそこまで大きな変化はありません)。

今度は、最大に絞ってみました。さすがに、ピクセル等倍レベルでは回折現象のせいで、若干ぼけてきますが、通常の使用では全く問題ないレベルだと思います(あくまでピクセル等倍での話です)。そのような微小な事柄より、周辺部の流れが劇的に改善しているのが一目で分かると思います。ただ、当然のことですが、思いっきり絞っているので露出時間はそれなりにかかります。昼間の一般撮影でも感度をあげたり、三脚を使用するなどの工夫が必要になると思います。

ただ、これだけ周辺までシャープになるとフォーサーズなど小さいフォーマットなら、とりあえず補正レンズ無しでも、全面にジャスピンが要求される写真にも使用できるのではないでしょうか?これは、大きなメリットに感じます。

このように、夜景のテストによって36EDの収差の少なさ、そして、絞りの効果を体験できました!テストする前から予想はしていましたが、やはり36EDのレンズ性能は素晴らしいです。正直カメラレンズとは比較になりません。また、絞りの効果が非常に大きいので、36EDを手に入れようと思っておられる方は、ぜひ絞りを同時に手に入れられることをお勧めしたいと思います(作品のバリエーションが非常に広がります)。

さらに、自分も含めて、天体写真(星雲・星団等)でも36EDを使用したいと思っておられる方々は非常に期待していただいてよいと思います。まだ、簡単なテストしかしていませんが、少なくとも中心部に関しては、71FLにも匹敵するレベルが期待できます(専用のフラットナーやレデューサーが出た時には、ほぼ全面で、同じくシャープになると期待しています)。

このクラスのカメラレンズに不満を持っている多くの人の救世主になるのではないでしょうか?以上、よろしくお願いします。

<中川コメント>
中西さん、連日の熱血レポートありがとうございます。毎回濃い内容のレポートなので、こちらも掲載しがいがあります(今までの36EDレポートはこちらから)。さて今回は36EDの性能が丸裸になる作例、夜景の作例です。夜景の作例はある意味星野写真以上にシビアなテストになります。この作例を見ると、補正レンズなしの開放の遠景のAPS-Cセンサーの周辺部は使えないレベルであるということはお分かりになるかと思います。そして絞るとかなり改善するということ、そして最小絞り(合成F値は絞りの位置で変わるので不明)まで絞ると問題ないレベルまで劇的に改善すること、等が分かります。このようにBORGの強みは外付けの絞りがすでに用意されているというところにもあります。これがないと「ただの中心がやたらシャープな望遠鏡」になってしまいます。

そこで、専用の補正レンズの開発に期待が集まるわけですが、光学設計をかじったことのある方ならお分かりかと存じますが、対物レンズの焦点距離が300mm以下になると、レデューサーやフラットナーの設計が飛躍的に難しくなります。これはどの光学メーカーでも簡単に設計出来るというものではありません。その点BORGは非常に優秀なレンズ設計者を有していますので、優れた補正系を作れる素地があります。多少時間はかかるかと存じますが、現在開発中ですので、ご期待いただければと思います。

それにしても36EDは楽しい道具です。GWが明けて弊社のスタッフのFとIが36EDを使って、それぞれ違うカメラで違う被写体で違う視点で作例を手土産に引っさげてきています。この作例も明日以降、ご紹介できると思います。共通の感想は「写りすぎる。」「画像処理の必要を感じない。」というものです。私の部下の分際で上司よりもはるかに凄い画像をモノにしているのです。そうなんです。36EDは素材で十分に勝負できるのです。

P.S.横浜の遠山さんから、太陽面のカルシウムK線に関する情報をいただきましたので、以下にご紹介します。リンク先にある太陽面の画像は今まで見たことがない高いレベルの画像です。ぜひ、ご覧ください。

株式会社トミーテック オアシス・ダイレクト 中川昇様。横浜モバイルプラネタリウム 遠山です。いつもお世話になります。

新しく導入したカルシウムK線撮影用モジュールをBORG100EDの接眼部に取り付け、撮影を開始しました。カルシウムK線で見る太陽像は、Hαで見る太陽の彩層面の、さらに下の部分を見ることができます。得られる画像は、Hαで見る太陽像に比べると地味なものですが、今後、時間が許す限り継続して観測を行う予定です。

今日(5月6日)は気流が良かったため、ファーストライトとしては、とても解像度の高い画像が得られました。リンクを張って紹介していただけると、ありがたく思います。国内で、この波長で太陽を撮影している観測者は極めて少数です。http://www.yokohama-mobilepla.jp/sun_ha_20130506.html

P.S.2 GW明けの今日は、まさに山のようなご注文、怒涛の電話攻勢、お問い合わせメール、カタログ請求などがわんさかと届きました。ありがたいことです。最近多い問い合わせは、フィールドでBORG使いの方に出会い→そもそもBORGとは?という説明を現場で受け→撮影した画像に衝撃を受け→弊社に問い合わせをかける、というパターンです。BORGユーザーの方が「いかにBORGが楽しい道具なのか?」を熱心に説明していただいているようです。本当にありがたいことです。これからもさらに楽しくなるような製品を開発していく所存です。今日もBORG開発者ブログをご覧いただきありがとうございます。

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