BORG WORLD 画像作例集
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2012年4月28日の太陽黒点 77EDII(直焦点)+D5フィルター82mm【9582】BU-1【9000】+E-P3(VF2付)+プレート60【3160】【3101】+カメラ三脚 トリミング 会社裏庭にて 太陽黒点をブラックボーグで撮りました。黒点がそこそこ出ています。金環日食当日も期待したいところです。
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77EDII(ブラックフード)+試作黒鏡筒+BU-1【9000】+E-P3(VF2付)+プレート60【3160】【3101】+カメラ三脚 このスタイルで太陽を撮影しました。天体望遠鏡とは思えないスタイリッシュな外観です。BU-1はヘリコイドの位置も良くピントあわせも快適です。
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77EDII(ブラックフード)+試作黒鏡筒++BU-1【9000】+E-P3(VF2付)+プレート60【3160】【3101】+カメラ三脚 太陽の撮影には、片持ちフォーク式赤道儀【3101】は必需品です。プレート60のお陰でバランスも取りやすくなります。光路を90度に曲げられるVF2のお陰で、覗く姿勢も楽でピント合わせも快適です。
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77EDII(ブラックフード)+試作黒鏡筒++BU-1【9000】+E-P3(VF2付)+プレート60【3160】【3101】+カメラ三脚 野鳥撮影時にも片持ちフォーク式赤道儀【3101】があると撮影の効率があがります。ブラック【3106】もあります。
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77EDII(ブラックフード)+試作黒鏡筒++BU-1【9000】+E-P3(VF2付)+プレート60【3160】【3101】+カメラ三脚 この外観には痺れました。これならフィールドでも堂々と機材を広げることが出来ます。デジボーガーなら入手すべき逸品だと思います。

<2012金環日食に向けて>
■はじめに
いよいよ世紀の天体ショー2012金環日食まで、あと23日。BORGはこのイベントのお陰で非常に忙しい思いをさせていただいています。ありがたいことです。正直な話、天文歴40年以上の私ですら初体験(しかも生涯最後かも?)の超珍しい天文現象です。まずは、このブログをご覧のクラスの方は、「見ない、撮らない」という選択肢はありません。この世に同時代に生まれたものとして「見る、撮る義務」があります。それほどの現象です。ここでは、数回に分けて、金環日食の撮影テクニックを書きたいと思います。皆さんの参考になるような内容にしたいと思いますが、休日出勤の合間での執筆になりますので、不定期更新になりますことをご容赦ください。

■金環日食の撮影の注意点
(1)まずは安全面に十分に注意しましょう。最悪、失明する恐れがあります。

(2)撮影には必ず、10万分の1に減光する太陽撮影専用のD5フィルターを使用します。D5フィルターは金環日食後も6月6日の金星の日面通過や今後起こる日食、日々の太陽黒点の撮影に使用できますから、太陽撮影用フィルターは最初から良いものを選びましょう。長く使えるのでかえってお得ですよ。

(3)デジカメはミラーレス機がおススメです。なぜなら、直接太陽を覗く心配が無いからです。ミラーレス機をお持ちでない方には、この機会に中古で安く買えるオリンパスE-PL1をおススメします。驚くほど良く写ります。日食後にも野鳥撮影等に幅広く使えます。

(4)ミラーレス機の中でもおススメは、ファインダーや液晶が上から覗けるタイプを選ぶことです。E-PL1にはVF2という外付けの光路を曲げられる優秀なファインダーがあり、その意味でもおススメです。なぜこういうタイプでないといけないか?というと太陽にデジカメを向けると分かるのですが、太陽光が眩しすぎて背面液晶では、全くピントあわせが出来る状態ではありません。その点、液晶がフリーアングルタイプであればだいぶ見やすくなります。VF-2のような上から覗けるようなタイプのファインダーだと非常に快適にピントあわせが出来ます。ここはとても重要です。

(5)やむを得ず一眼レフタイプ(ミラーがあるカメラ)のカメラを使用する場合は、光学ファインダー(背面液晶ではない方)を覗いてピントあわせをするのはやめましょう。光が10万分の1に減光されているとはいえ、有害な光は透過しています。眼に後遺症が残る場合がありますので注意が必要です。よって一眼レフカメラでの撮影は背面液晶を使いますが、これが太陽と同方向なので、実に見えにくいのです。そこで予め、フィルター無しで月などでピントの位置を確認して固定しておいてから、日食の撮影に入るとよいでしょう。当日、いきなりだと確実にパニックになります。その点、フリーアングル液晶を搭載していれば、ピント合わせはかなり楽になります。

(6)拡大率は欲張らないこと。直焦点かせいぜい1.4倍テレコン併用で十分です。欲張ると、ピントが合わせにくい、太陽が日周運動でどんどん移動してしまう、などの弊害が多くなり、やはりパニックになります。大きく写したければ後でトリミングすれば良い話です。

(7)露出はあまり厳密に考える必要はありません。基本的には標準露出時間表で予定しますが、分からない場合は、どんどんシャッタースピードを変えて写せば良いだけの話です。AEB機能をうまく使って段階露出でカバーしましょう。約3時間の長丁場なのでメモリーカードは余分に用意しましょう。

(8)微動装置もほぼ必需品。太陽の動きは意外と早いです。微動雲台があるのと無いのとでは使い勝手が全く違います。天体以外にも野鳥用にも使えますので、この機会に揃えてみてはいかがでしょうか?

(9)最後にあまり書かれていない注意点をひとつ。当日、快晴なら問題なしなのですが、問題は雲が出たときです。完全な曇りや雨なら諦めもつきますが、雲が流れている場合は深刻な問題が発生します。それは、「フィルターを外すの?外さないの?」という問題です。メーカーとしては、安全面から当然どんな場合も外さないでくれという立場です。というのは、私も昨年の太陽黒点の撮影中にこういう経験をしたのです。それはBORG+ペンタックスQで太陽を写していたときのことです。Qは拡大率が高いのでだだでさえ視野に太陽を入れるのが大変なのですが、当日は厚い雲が流れていて、仕方なくフィルターを外して太陽の導入をしていたのです。その時、突然雲間から太陽が顔を覗かせました。しかし焦っていた私はフィルターを外したことをすっかり忘れてこれ幸いとピント合わせを懸命にしておりました。その時、焦げ臭いにおいが・・・。分かりますか?そうです。カメラを焦がしてしまったのです。ミラーレス+フィルターレスですから、強烈な太陽光が直接カメラの内部へ・・・。幸い、センサーにはダメージが無く、センサー周りを焦がしただけ?で済みましたが、これが目玉だったら・・・。考えるに恐ろしいです。というわけで、雲は要注意です。金環日食よりも眼の方が大事です。十分に気をつけてください。

(10)とここまで書いて、ミラーレスの場合、注意すべき点がもうひとつありました。赤道儀の自動追尾機能はなるべく使わないということです。ミラーレス機の場合、天体望遠鏡などのMFレンズと接続した場合、センサーがむき出しになりますから、減光された光とはいえ、1点に光を長時間与え続けるのはセンサーにダメージを与える可能性があります。その点からも手動式の微動雲台は良いチョイスだと思います。※ここまで書いたらお客様から、「今日太陽を撮影していたらデジカメが熱を持った。非撮影時にはデジカメを太陽から外した方がよいのか?」というご質問がありました。これもYESです。熱はセンサーの大敵です。熱くなるとノイズも増えます。

・以上が今のところ気が付いた注意点でしょうか。後で気が付いたことがあれば加筆修正します。太陽の撮影自体は、そんなに難しいものではありませんが、初めての人には右も左も分からないということもあろうかと思いますので、次回は撮影編をお届けします。ご期待ください(明日29日はMFでBU-1のテストの予定です)。※太陽の作例画像はこちら。次回の連載を待ちきれない方は上記の注意点を守ってチャレンジしてみてください。

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2012/04/28の月面 77EDII(ブラックフード)+試作黒鏡筒++BU-1【9000】+E-P3(VF2付)+プレート60【3160】【3101】+カメラ三脚 ISO200 ifinish 無振動+2秒セルフ トリミング

<中川コメント>
会社の帰り際にあまりにきれいな月だったので、会社の裏庭で5分で撮影、10分でブログアップです。太陽黒点と同じ機材で撮影しましたが、BU-1はピントも合わせやすく、実に使いやすいです。ここだけの話、BORGじゃないみたいです。5月中旬までには発売できると思います。予約開始はGW明けの予定です。

P.S.今日もありがたいことにご注文がかなり入っています。ご質問も多くいただいていますが、ご返事はGW明けが原則です。何卒、ご理解いただければ幸いです。とにかく、金環日食を多くの方に安全に楽しく撮影していただくために、様々な情報発信をしていく所存です。
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