miniBORG60 のレポート (初回:武田様)

武田様から、初回レポートを頂戴いたしました。このレポートが第一号のご紹介です。
なお、武田様には対物レンズのみお貸出しさせていただき、その他の機材はお手持ちの物を使われています。

ご紹介としては「60倒立」の中に入れてありますが、お手持ちのプリズム等も活用されています。


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■ミニボーグ60対物 初回レポート 武田■
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○━━━━━━━━○ 見た! ○━━━━━━━━○
小さい(@_@)。ボーグサイトやショップサイトなどで見ていた 単体画像のイメージよりも実物のその小ささに驚きました。数字で大きさや重さなどは提示されているのですが、実際に見るとあらためて名前に「ミニ」を冠しているのを納得してしまいます。荷をとくなり「ミニボーグ60で手持ち」という想像が広がりました(笑)。


○━━━━━━━━○ 使った! ○━━━━━━━━○
<その1>
ミニボーグ60対物、延長筒、ダブルヘリコイド、ミザールのプリズム、延長筒、2インチホルダー、DCL52接眼、E100RS

T端で35mm換算約2058mmとなります。ユーザーレポートの「機材」にある下段を応用した形になります。

<その2>
ミニボーグ60対物、延長筒、ダブルヘリコイド、延長筒、カメラマウント、E-1アダプター、E-1専用EC14(1.4倍テレコン)、E-1

35mm換算910mm、F7.6となります。写真ギャラリーの「45ED野鳥写真集 -5-」にある形のようになります。


ダブルヘリコイドはM57ヘリコイドSとM42ヘリコイドLです。
より被写体に近づけた場合の緊急用がM57ヘリコイドSです。
通常はM42ヘリコイドLでピント合わせをします。


○━━━━━━━━○ 触った! ○━━━━━━━━○
<その1>
対物部が重くなるため、45EDの時と比べ手持ちは少し辛く感じました。特に上向きに構えると辛いです。腕力のある男性の場合は、いいかもしれません。
ヘリコイドの位置を前方にずらすことも考えましたが、手が届きにくくなるので、操作性が落ちると思いやめました。
車の窓枠を支えにしたり、近くに木の枝や柵などがあれば、安定して撮れます。(添付の月は手持ちでベランダの柵に左手をおいて支えて撮りました。)一脚などの利用もいいかもしれません。
三脚に設置した場合には、全体としてコンパクトな鳥見、鳥撮影の道具になると思います。

<その2>
プリズム、接眼部がない分、こちらは快適に手持ちで使えました。
ヘリコイドの位置が使いやすいように自由に配置できるのもボーグならではで便利に感じます。60EDへのさらなる期待が高まりました。

<蛇足>
借り物ということで、手持ちをしていると、ついフードなどに小キズをつけてしまいそうなので、テニスのリストバンドを対物部に2つつけて保護しています。


○━━━━━━━━○ 撮った! ○━━━━━━━━○
アクロマートということで、以下の点はやはり気になりました。

「色収差」
晴天時、空バックの電線に止まるツバメを撮った所、電線に目立つ色収差が出ました。被写体はOK。
曇天時、ケリを撮った際、白い羽の部分に収差が出ました。撮影条件で、収差の出方が違いますが、気になりました。

「シャープさ」
遠くの鳥を撮った際、どうもピシッとしません。
手持ちによるブレの影響もあるかもしれませんが、遠景は苦手に感じました。45EDを使っているためか、画像全体にシャープさが足りなく感じました。
※カメラのファインダーの見やすさも45EDで使っている時の方が良いように感じます。

「倍率」
45EDでも上記のDCL52接眼を使って1900mm相当の撮影をしていますが、ミニボーグ60の場合、倍率を1200mm相当に押さえた方が良いように感じました(カメラ側で引いて撮ってみた結果です)。
口径で倍率を考えると、もっと行けそうな感じもしていたのですが、今回は今ひとつでした。
2000mm超の歩止まりの悪さなどは手持ちというのも影響していると思いますので、次回、三脚でも試してみたいと思います。ただ、合成F値は45EDよりもミニボーグ60の方が明るい分、SSは稼げていると思いますので、手持ちが歩止まりが悪い原因とは言い切れない気がします。

EDレンズと比べてしまうと、上記の点はどうしても仕方のないことかもしれません。
シャープ感などはレタッチを前提にすれば、後での加工も可能ですから、収差の出にくい条件で撮るように心がければ、アクロマートでも結構イケルとも思います。

 

電線ツバメ E100RS+DCL52 T端(ノートリミング 2058mm相当)

 

カルガモ  E-1直焦点+テレコン (ノートリミング 910mm相当)

 


満月  E100RS+DCL52 (複数枚のコンポジット)
*弊社でレタッチ処理を追加(リサイズ等)

 

 ★★★★★★★★★★ 次回予告 ★★★★★★★★★★★
◎その1の接眼をACクローズアップレンズNO.5×2枚で撮ってみたいと思います。
その場合、自作プリズム利用のもう少し軽めのシステムでも挑戦。
(ユーザーレポートの「機材」にある上段の形)
◎E-1でE-1専用テレコンを外した撮影。35mm換算で650mm、F5.4となります。
◎三脚セットでも使ってみたいと思います。


早々にレポートを頂戴いたしました。ご配慮頂きありがとうございます。

お写真は8枚も添付して頂きましたが、3枚のみ掲載とさせていただきました。それぞれ、特徴のある写真ですので、機材の癖や性能を垣間見ることが出来ると思います。

EDタイプのレンズではないので、ご指摘通り赤や青の色収差が目に付くこともあります。被写体によっては目立ちませんので、その辺りは使いこなしが必要ですね。

E-1での直焦点撮影は、カメラの望遠レンズとしての利用方法になります。この場合は、プリズムなどが無くても普通に正立像が得られるので、違和感無くお使い頂けることと思います。F7.6位ならピントの判断も比較的簡単ですから、実用的な超望遠レンズとして使えます。
色収差が際立たない撮影なら十分実用範囲と感じます。

次回予告も書いて頂いております。笠井のDCL52とACクローズアップの差も見ることが出来そうですね。2回目のレポートも楽しみにお待ちしております。

 

(kaji)

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