miniBORG45ED EMSのレポート (最終回:高山様)

miniBORG45ED EMSのレポート (最終回)

いよいよレポートも最終回になりました。
夏から秋にかけて、あっという間の3ヶ月間でした。
期間中、手持ちのデジカメとアイピースを組み合わせて使ってきました。
どの組み合わせも一長一短あり、まだまだ使いこなせていない状態ですが、最後のレポートはこの報告をさせていただきます。

今回はすべてのデジカメで、汎用レリ-ズステー【7160】を使いました。
どのデジカメにも付けられ大変良いです。おすすめです。

ペンタックスのアイピースはかなり着太りしているようで、周りのゴムやヘリコイドを外すとこんなにスマートになります。
周りのゴムとか付いてなくて良いからもう少し安ければ良いのに・・・・
限定生産でも、予約生産でも良いから、ボーグさんとペンタックスさんのタイアップで、XWのレンズの奥まっていないものを販売していただけないでしょうか・・・

アイピースの写真中央のXW14はケラレなく使用するため、パイプカッターでレンズの上の出っ張りをカットしちゃいました。もちろん工作が苦手なので切り口がすこし斜めになりましたが運よくレンズに傷は付かず、ケラレはなくなり画質は良いです。SD1-Xで使えるようにするため、パイプレンチを使って力任せに外のリングを外そうとしたので外見ぼろぼろで可愛そうなXW14になりました。
構造がわかれば、それほど力任せでなくても外せるものでした。
危険ですから良い子は絶対にまねをしないようにしませう(*^_^*)

 

その1 miniBORG45ED EMS+ EMSOLMPUSC5050Z+XW14の改造アイピースというか破壊?アイピース

レポート期間中の後半、一番多く使った組み合わせです
なかなか天候に恵まれなかったので、明るいレンズのオリンパスC5050Zを多用しました。画質も好きです。
OLMPUSC5050Z+XW14の組み合わせは、ワイド側でまったくケラレがありません。

ヤマガラ

OLMPUSC5050Z+PENTAX XW14+BORG45ED EMS 焦点距離7.1mm、1/30秒-F/1.8

 

ホオジロ 

OLMPUSC5050Z+PENTAX XW14+BORG45ED EMS 焦点距離21.3mm、1/60秒-F/2.6 
テレ端は少し周辺減光があるのでトリミングしてます。

 

その2 miniBORG45ED EMS+ OLMPUSC5050Z+Fujinon25XLER

今回のレポートを拝見して、コーワのアイピースが接続出来るのを知り、試してみたらフジノンのロングアイレリーフのアイピースが何の加工もせずに取り付けられました。
このアイピースはアイレリーフが31ミリあり口径も大きいので、オリンパス5050で約1.2倍からテレ端までケラレなく使えるお気に入りのアイピースです。KOWA824でもこの組み合わせを一番多く使ってきました。
残念ながら824の純正アイピースは、バヨネット部分ssが大きくてSD1-X(B)に入りませんでした。

アイピースのバヨネットの部分が、SD1-X(B)のねじの部分とほぼ同じ位置なので、うまく会わせてねじ止めすると止まるのです。まっすぐに取り付ける場合でも絶対大丈夫かどうかは分かりませんが、多少の力では外れませんのでEMS-Sはアイピースを上向に付けられるので使っていました。価格もXWの半分くらいだし画質もなかなか良いのです。

 

キジ
 
OLMPUSC5050Z+Fujinon25XLER+BORG45ED EMS 焦点距離9.3mm、1/500秒-F/2

雨の日のエナガ? の写真


OLMPUSC5050Z+Fujinon25XLER+BORG45ED EMS 焦点距離21.3mm、1/30秒-F/2.6 
雨の日、家の軒先から撮影

 

その3 miniBORG45ED EMS+ Nikon E8700+XL7 or XL14 

ケラレはあるけど、トリミングしても画質が良いです。
暗くて駄目かと思っていたのに、XL7で一番良い写真が撮れたのがE8700との組み合わせでした。
これだけ解像してるのには、正直驚きです。 
miniBORG45ED EMS ずばらしい(^.^)

モズ

NIKON E8700+PENTAX XL7+BORG45ED EMS 焦点距離8.9mm、1/4.7秒-F/2.8 少しトリミングあり 


ホオジロの幼鳥


NIKON E8700+PENTAX XL14+BORG45ED EMS 焦点距離23.7mm、1/17.3秒-F/3.6 トリミング、レタッチあり

 

その4 miniBORG45ED EMS+SONY W1+LV25 or XL7 

2回目のレポートで写真を出したクマタカさんは、年に数回、タイミングが良い時しか見られないけど、これを撮るのはSONY W1+LV25 の組み合わせが一番です。
上空を飛ぶのを撮るときは、液晶に導入さえできれば90度に曲がったこの独特の形が以外と使いやすいのです。
W1はペンタックスのアイピースでは全域ケラレがありません。
ピントも早いし、連写も早しい快適なカメラです。すばやい鳥さんはこれが良いかも。

何故か私の場合、微妙にピントを外してしまうことが多かったのですが・・・
微妙にピントを外してしまうことが多かったのですが・・・

エナガ(だと思うんだけど)


SONY W1+LV25+BORG45ED EMS 焦点距離23.7mm、1/100秒-F/5.2 

カラス

SONY W1+XL7+BORG45ED EMS 焦点距離23.7mm、1/8秒-F/5.2 
カラスさん。とりあえず液晶に入ったものは拒まず撮る^^;。
・・・かなりのプレッシャssーを持っていたんだなぁーと改めて思ったりして・・・

マイフィールドです


高い山に囲まれた、深い谷の中です。ここで生まれ育ちました。
残念ながらここは、半世紀前に計画された首都圏最後の水がめといわれる八ツ場ダムの建設予定地です。
50年もかかってまだ出来ない理由には、地元の反対運動が大きかったことや、川の水が強酸性で鉄釘が一週間で溶けてしまうほどであること、今お騒がせしている浅間山の天明の噴火時の泥流が積もったことなどにより地質がとても悪いこと、などがあります。
写真の中に山が切り崩された箇所がありますが、こんな箇所がたくさんあります。
毎日小鳥の声をかき消すような重機の音のなかで暮らしています。

私がデジボーグを始めたきっかけは、イヌワシもクマタカもいるのに、どんどん工事で山が壊されていく状態をなんとかしたいという思いからでした。
飛んでいるのを確認できる限り、少ないチャンスを最大に生かしたいと思い、余裕があるわけでもないけど、いつの間にか機材の沼にはまってます。

ダムによって川を堰き止めることが、海にまで悪影響を及ぼすことなど、自然からのSOSが聞こえてきます。
昨年事業費が当初計画の約2倍の4600億円に倍増したことで、下流都県でも無駄なダムは要らない運動が大きくなってきたようです。
出来ることなら、次の世代にダムと借金と環境破壊を残すのではなく、クマタカやイヌワシの生息できるような生態系の整った自然が残せたらと思います。

 

浅間火山の写真


SONY W1+LV25+BORG45ED EMS 焦点距離13.7mm、1/100秒-F/7.1 レタあり

小爆発を繰り返す浅間山です。近くまで行ったのでスコープでパチリ。大きすぎて火口が全部入りませんでした。
ドドーンという爆音と地響きが伝わって大迫力でした。
東京まで灰が降ったそうですが、強酸性ゆえ車に灰が積もったら洗っておかないと錆びますよ。(^_^)v

 

最後に3ヶ月使ってみた感想です

うまくピントが合ったときの画質はホントすごく良いです\(◎o◎)/!。
高倍率のペンタックスXL7(約42倍)でも、しっかり解像しているので正直驚きました。

ただ、90度に曲がった独特の形ゆえ目線の高さより対物レンズの方が30センチくらい低くなり、肉眼では鳥が見えているのにデジカメの液晶には草や木の枝しか映らないなんてことが時々ありました。
逆に真上の鳥を撮るときは、この形の方が姿勢が楽だったりします。

ピント合わせも、鏡筒の前後で大まかにあわせ、カメラ任せでほとんどはOKでしたが、たまに微妙なピント合わせをしたい時、ちょっと物足りなく思った事もありました。
カメラ任せでという点では、ニコンのデジカメE8700、E4500のマクロモードが、動作はちょっと遅いけれどピントはしっかり合わせてくれるように感じました。

45ED+EMS-Sでこれだけの画質だがら、77ED+EMS-Sなんて組み合わせだったらいったいどんな画質になるんだろうと考えたりして・・・・・どんどんボーグ沼に沈んでいきそうです・・・
2年前、「裏山のクマタカの写真が撮りたい」と東京の協栄産業に行き、遠くを高倍率でとなると天体望遠鏡とのアドバイスを受けて以来、ボーグにはずっと興味を持ってきました。
夏、冬のセールのとき何度か注文しようと思ったけど、使いこなせるかどうかが不安で一歩踏み出せませんでしたので、今回のモニターは大変良いきっかけになりました。他の皆様のレポートも大変参考になっています。

なお、エントリーはE4500でしたがほとんど出番なく終わってしまいました点を申し訳なく思っています。

今回はss貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。m(__)m

 


高山様からも、沢山のお写真と内容の濃いレポートを頂戴いたしました。
他の皆様同様に、頂いたお写真は全て掲載出来ませんでした。また、こちらの都合でリサイズとJPG圧縮を行っております。大変申し訳ありません。(オリジナルはかなり綺麗です)

お使いいただいたカメラは3種類、W1、C5050、E8700です。また、アイピースもペンタックスとフジノン、ビクセンLVと非常に幅広く参考になりますね。これだけ使いこなされて、また、画質も良いのですから機材にも使いこなしにも驚きました。

フィールド情報にお書きいただいたダムの話は、環境問題を考えさせられるものがあります。野鳥や写真とは直接関係がなくても、少しチェックしておきたい情報だと思いました。
少し追加で情報を頂きましたので、最後にご紹介しておきます。

 

--------------- ここから --------------

余談ですが、ダムに関する内容を省略して大まかに掲載したので一部内容不足なので少しだけ説明させていただきます。

酸性河川のうちの一部である草津の河川については、40年位前に中和工場が出来て毎日石灰を川に投入しています。同じ頃、化学反応によって出来た中和生成物を沈殿させるためのダムも草津の下の村でき、一つの集落が沈みました。これにより川が中和されたと、一度消えそうになったダム計画が再燃しましたが、中和しているのは草津白根山系の河川だけで、浅間山系の万座川水系は酸性のままです。

また、すでにこのダムは数年前から中和生成物で満杯状態あり、数台の重機がこれを救い上げ、ダンプカーが近くの谷に運び捨てています。捨てている谷も、もういっぱいだそうです。

石灰を採掘する山、中和生成物を沈殿させるダム、これを救い上げ運搬する重機、中和生成物で埋まる谷、と何重もの環境破壊が行われています。下流都県は高い負担金を出し、この石灰の上水を飲料水として使用しているのです。

---------------- ここまで --------------

(梶)

初回レポート  第2回レポート  最終レポート
ページトップへ戻る