BORG101ED のレポート (最終回:吹野様)

いよいよ飛び切り暑い夏も終わり、朝晩の過ごし安さに秋を感じるようになって来ました。人里近くでもイカルの囀りが聞こえるようになり、一夏付き合ってくれた夏の子鳥達が渡りの途中都市公園で休息を取っているという噂もチラホラ聞こえ始めています。そしてまた時期を同じくして今回参加させて頂いた機材貸し出し企画も終わりを迎えるに至り一抹の寂しさを感じて居ります。

さて、最後のレポートとしても数枚の画像を添付させて頂きます。たまたま同じ日同じ場所から撮影した撮影距離の違う画像がありましたので、何かの参考になるようでしたらと思います。

画像1

トウネン
約5m

1/201Sec F4.5

Focal Length
16.70mm

Exposure Bias 0.00

ISO Speed
Rating 100

画像2

シロチドリ
撮影距離
約20m

1/324Sec F4.5

Focal Length
20.20mm

Exposure
Bias -0.30

ISO Speed
Rating 100

画像3

チュウヒ
撮影距離
100m以上

1/967Sec F4.7

Focal Length
8.20mm

Exposure
Bias 0.00

ISO Speed
Rating 100

機材:BORG101ED+ペンタックスXL14+ミザール新型地上プリズム+NikonE995


さて、この度のリポートの締めくくりとしまして少し感想を述べさせて頂きます。

まず使用感ですが、画質的には高倍率まで抜けの良いシャープな画質と収差も押さえられて発色も自然、76EDユーザーの私としては何も言う事が無いのですが、一つ難点は焦点距離が長い事。500mmの76シリーズと比較して640mmはデジボーグ、つまり昼間のコリメート撮影には長すぎるように感じます。


高倍率まで画質が良いといっても実際にはやはり出来るだけ被写体に近づいて撮影した方が良像を得られる確率が高いです。また広角で撮れる分、光量に余裕があるせいか彩度も高く発色も奇麗です。 フィールドで幸運にも近くに鳥が来てくれて、願っても無いシュチエーションに遭遇した時に逆に機材を担いで後ずさりした事が何度か有りました。

倍率が高すぎるんですね、ちなみに私の接眼はXL14(45.7倍)とLV25(25.6倍)ただしLV25は広角側がケラレて使えません、またのケラレの無い部分にも周辺部にはけっこう歪曲収差が残るように思いますので安心して使えませんので、実質的にはXL14の広角端が私の最低倍率という事になります。やはり画質も考えて使いやすい倍率というのは30倍前後かと思いますので、XL21辺りが有れば良いのかもしれませんが・・・

また101EDの場合、機材全体の重量配分が全長が長く鏡筒先端が重いので外部から加わった振動を減衰し難いという不利な点も有ます。個人的には総重量の重さよりもこちらの方が使用上厳しかったです。
尚、それぞれの最短合焦距離は正確に測っていませんので、あくまでも参考値ですが私の機材構成で76EDは約3m、101EDは約5~6mという感触です。もちろんギリギリですがこの組み合わせで無限遠も出ております。

このようなことからデジボーグ、デジボーグコリメートに使うのであれば、76EDを使っていた経験からすると、77EDが使いやすさコストパフォーマンスが断然良いように思います。あっ、すいませんこれはミニボーグの企画でした^^;
もちろんレンズの性能は101EDと同等かそれ以上だと思いますので、これから77EDを使われる皆さんの画像やお話に注目していきたいと思っております。

じゃ、101EDは駄目なのかというとそうでは有りません、私の個人的な感想としましてはこのレンズはデジタル一眼レフでの直焦点撮影に最適なのでは無いかと思っております。F6.3は絞り固定でも使いやすいF値ですし、AFの必要性も実際にはさほど感じないです。あいにく肝心のカメラが無いので今回はレポートできませんが何れ好結果のレポートが各方面から続々と届く事だろうと思っております。

腕利きのユーザーの皆さんを差し置いての企画参加で有りましたにもかかわらず、稚拙で安易なリポートでたいへん申し訳無く思っております。簡単では有りますが、これにて今回のリポートを締めくくらせて頂きたいと思います。



80φ金属鏡筒用の101EDを使ったレポートの最終回、如何でしたでしょうか。
ミニボーグの企画とは少し毛色が違いましたね。けれども毎回魅力的なレポートにより、ミニボーグより大きなシステムの魅力も感じて頂けたのではないかと思います。事実、この大きなレンズは伊達ではありません。一度お使い頂けるとその性能に驚かれることでしょう。

ご指摘にありますように、焦点距離の関係で倍率が高めになってしまいます。遠距離で拡大するには便利なのですが、近距離で少し引いた絵を撮影するには使いにくいでしょう。背景も含めて絵を作る場合は、これもご指摘通り一眼レフカメラを使う方がベターと思います。今どきのデジタル一眼レフでしたら、約1000mmの望遠レンズとして使えますから、引いた絵を得意とする方には使いやすいのではないでしょうか。

1枚目のトウネンは距離が5mしかないそうです。ピントギリギリの位置で撮影されています。この鳥は、小さくて激しく歩き回るので、撮影はかなり大変だったと思います。

(kaji)

初回レポート  第2回レポート  最終レポート
ページトップへ戻る