BORG WORLD 画像作例集

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新製品 レデューサー0.72×DGQ【7872】 2015年3月13日(金)発売!
90FL(0.72xDGQ 5DMarkⅡ ミルファク 15分)s.jpg

レデューサー0.72×DGQ【7872】のフルサイズの星像  BORG90FL(試作品)+レデューサー0.72xDGQ【7872】(試作品)+キヤノンEOS5DMarkⅡボデー ※テストなので光害カットフィルターは装着していません。露出は5分x3(合計15分)、ダーク補正無し、フラット補正有り、ノートリミング 撮影:中西直樹様

<モニターの中西さんのコメント>
こんにちは、中川さん。中西です。90FLレポート第27弾 レデューサー0.72xDGQ編です。

まずは、以前テスト的に撮影した画像をご覧下さい。輝星は、ミルファクです(この辺りは、巨大な星団のように星が多いのでテスト撮影しました)機材は、90FL(試作品)+レデューサー0.72xDGQ(試作品)+5DMarkⅡです。テストなので光害カットフィルターは装着していません。露出は5分x3(合計15分)、ダーク補正無し、フラット補正有り、ノートリミングです。 (もちろん、星を小さくしたりシャープにするような処理はしていません)

微妙なスケアリングエラーのためと思われますが、フルサイズ最周辺で僅かに星像が流れている箇所があります。左下など、ほぼ完璧に点像の箇所もあるので、マウントに薄いテープを貼ったり紙を挟んだりの微調整で全面点像になりそうです。(この微調整が意外と大変なのですが・・)このテスト画像をご覧いただくと、フルサイズでもトリミング無しで、天文誌応募レベルの作品が撮影できることがご理解いただけるかと思います。

ただ、現行の0.7xDGT【7870】も高性能なので、倍率のスペックが近い0.72xDGQ【7872】への買い替えを迷っておられる方も多いと思います。(実際、私も0.7xDGTを使用し、天文ガイドやビクセンカレンダーへ入選しています)今回は、特に天体撮影におけるメリットをご紹介いたします。長文ですが、天文屋さんが知りたい情報が満載?!だと思います。

★画質が向上している!
やはり一番のメリットは、画質の向上です。今回のテスト画像からも分かりますが、 具体的には、フルサイズ周辺まで星像が綺麗なのが最大のメリットだと思います。 ただし、フルサイズになると、スケアリングにシビアです。これはBorg独自の問題ではなく、どのメーカーでも同様です。最近ではスケアリング調整ができるカメラマウントなどもでてきているので、Borgにもスケアリング調整対応の、DXバージョンが欲しいところです。さらに、0.7xDGT【7870】では、輝星に少し青ハロが出ることがありました。0.72xDGQ【7872】では、これまで気になることはありませんでしたので、この点でも天文適正が上がっています。

★フィルターBOXnがリア(後方)に装着できる
 これは、かなり大きなメリットです(実際に撮影する人にしか分からないと思いますが・・) 0.7xDGT【7870】では、フィルターBOXnをレデューサーの前に装着する必要がありました。しかし、レデューサーの前玉が出っ張っていて干渉するので、延長筒やヘリコイドを前方に配置し、その前にフィルターBOXn【7519】を装着する必要がありました。そのため、フィルターと撮像センサーの距離が開き、フィルターやカメラによってはゴーストが大きくなる傾向がありました。この点で、フィルターBOXnをリアに装着できるメリットは大きいです。また、後述しますが、フィルターBOXnがリアに装着できるので、光路長を短縮でき光軸がずれにくくなります。

★光路長が短くてすむ
レデューサーのほとんどが、筒の中にもぐりこむので、光路長がほとんど増加しないのは大きなメリットです。特に、71FL(80φ構成)+フィルターBOXn【7519】+0.7xDGT【7870】で組むと、鏡筒の部分が非常に短くなり前後のバランスがとりにくかったのが改善されました。90FLでも、光路長が短くてすむので、構成に自由度があるので非常に便利です。

★光軸がずれにくい
光路長が短くてすむという点と関係がありますが、ヘリコイドの後ろが短くてすみますので、テンションがかかりにくく、レデューサーの光軸がずれにくいというメリットがあります。とくに、フルサイズだとスケアリングや光軸にシビアなので、この点もうれしい改善点です。

★別売絞りが装着できる(あくまで発売未定ですが・・)
 「明るくするレデューサーに絞りなんか邪道では?」という見方もあるかもしれませんが、結構メリットだと思います。逆に「明るくなるから、絞りを付けられる」とも言えます。試作品のテストを行なうまで、はっきりしたことは言えませんが、色々メリットがありそうです。絞りを装着することによって、若干暗くなっても、周辺の画質と光量がよくなるのなら、撮影対象や、撮像素子のフォーマットによっては、非常に便利だと思います。

★モチベーションがあがる
これは、0.72xDGQ【7872】だけに言えることではないですが、性能のよい新製品を使うとモチベーションがあがります(笑)。特に、星雲の撮影は楽しいですが、色々苦しいことも多いので・・。ただ、苦しいからこそ、満足のいく作品が撮れた時の喜びが大きいです。超高性能な0.72xDGQで、心機一転、頑張るというのもよいかと思います(笑)

メリットばかり書いてきたので、デメリットはないのか?と感じる方も、おられると思います。個人的には、あまり関係ないのですが・・・。あえて言うと、回転装置が内蔵されていないことくらいでしょうか?ただ、私は工具(と言ってもコインですが)を使うのがあまり好きではないので、0.7xDGTの時も、M57回転装置DX【7352】を装着し、内蔵の回転装置を使用していなかったので、何も変わっていません(笑)

このように、天体撮影においては、非常に多くの、しかも結構重要な改良が加えられているので、個人的にはリプレースをぜひお勧めしたいと思います!とくに、0.7xDGTとほとんど変わらない価格は、上記のメリットや性能を考えるとバーゲンプライスだと思います(笑)
(正直、EDレデューサーF4DG【7704】と同じくらいの価格だと予想していましたので・・)

<中川コメント>
さすがはモニターの中西さん、新製品のレデューサー0.72xDGQ【7872】の特長を具体的に、かつ分かりやすく解説いただきました。なるほど、こういうメリットデメリットもあったのですね。作例画像の輝星に出ているくさび状の光条は、周辺光量が増加すれば解消しますので、その点でも開発中の別売絞りの発売が待たれるところです。ボーグの場合、この例に限らず、欠点をカバーするパーツが用意されている場合が多いので、融通が利いて、最終的にはどうにかなるケースが多いのです。これは他社にはないボーグらしいところです。

<海外代理店ヒューテック石川さんのレデューサー0.72xDGQ【7872】へのコメント>
中川さん、私のブログのアクセスがすごいことになっています。フローライト+専用設計Reducerの組み合わせが、やはり魅力的なんでしょうね。

光学設計もさることながら機械設計(設計者のIさん、やはりすごい)も秀逸です。試作からこれだけ設計変更したとは驚きました。【7519】分のSpacerを設けたのは素晴らしいアイデアです。ありがとうございます。ホント、こういう高い水準で光学・機械設計できるのは世界見渡してもボーグだけですね。7872の初回分、まだ残ってます?これからEurope方面からも来ると思うので少し在庫を確保しておきたいです。71FL・90FLも追加注文いれます。

中川さん、コバの墨塗りの決断もありがとうございます。さらにボーグの性能・品質の考え方が一ランクアップと捉えてくれると思います。こういう地味だけれども大切なところ、欧米人にはかなり受けると感じます。ミニボーグ鏡筒DX内の植毛紙も、近々記述しようと思ってました。これも、手間が掛かる作業ですが、ボーグのコントラスト向上に役立っているのは間違いないので。

55FL/67FLの専用Reducerの生産のご決断も是非お願いします。必ず売れます。天体レベルの高性能200mmレンズ、間違いなく需要があります。67FL+7885の組み合わせも注目されてきました。私自身、最近改めてテストして天体レベルでもAPS-Cまで自信を持って薦められることを再確認しましたので、67FL+7885の組み合わせも一押ししています。石川

<中川コメント>
BORGの海外代理店、ヒューテックの石川さんからも大絶賛のコメントをいただきました。石川さんには、試作品の7872を使っていただき、素晴らしい作例も多く送付いただきました。先日のCP+2015でもお手伝いいただき、目下BORG売る気満々モード全開です。ありがたいことです。お蔭様で、レデューサー0.72xDGQ【7872】のご予約もたくさんいただき、さらに追加注文もいただきました。71FL、90FLは海外でも大人気なのです。特に今回のレデューサー0.72xDGQ【7872】は特に高い評価をいただきました。ここだけの話、辛口の石川さんがここまでBORG製品を手放しで褒めるのは珍しいです。それほど価値のある製品であることが少しでも伝われば嬉しく思います。
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ルリビタキ BORG77EDII+BU-1+MMF-1【9857】+1.4×テレコンバーターDG【7214】+オリンパスE-P5ボデー 撮影:K様(愛知県)

<撮影者のコメント>
中川様。愛知県のボーグファンKです。9回目の投稿になります。今回の撮影機材はBORG77EDII+BU-1+MMF-1【9857】+1.4×テレコンバーターDG【7214】+オリンパスE-P5ボデーです。

ボーグは男の道具、男のロマンだと思います。ボーグは各種パーツからなっていて、いろいろな組み合わせで使い込みます。それが楽しみです。本日は、1.4×テレコンバーターDG【7214】をこのシステムで使えるかどうかテストしてきました。

まずMMF-1【9857】+1.4×テレコンバーターDG【7214】を組み込むために重量のバランス調整です。後部が重くなるための調整です。BU-1のアルカイス台座は180度付け替えることができます。 これは六角レンチで行います。さらに三脚につけるロングプレートによっての前後のバランスを調整することができます。

次にMMF-1【9857】+1.4×テレコンバーターDG【7214】の長さの調整です。特に1.4×テレコンバーターDG【7214】をつけるためには、延長筒L【7604】が必要です。両方で後部が10センチ以上長くなります。その分前部の150㎜鏡筒【7151】を取り外し50㎜鏡筒【7051】に交換し10センチ程短くしました。これで長さの調節ができました。

そして細部の調整になりますが、MMF-1【9857】の可動範囲は40mmで、BU-1のドローチュウブは95㎜、ヘリコイドは32㎜です。自分のピント合わせがしやすいようにまずドローチュウブを固定します。MMF-1【9857】を可動をメインとしサブにBU-1のヘリコイドを使うといいと思います。1.4×テレコンバーターDG【7214】を外す時は、長さが変化するので、再度ドローチュウブを調整します。

このピント合わせは自分が使いやすいように調整しますが、この調整は男の道具、男のロマンだと思います。使い込むことによって、自分の道具になると思います。結構複雑ですが、楽しいです。他に回転装置【7352】や【7528】の部品も必要ですので自分の機材に導入のパーツをしっかり確認することが大切です。さて本日も天気の条件が悪く満足な写真が撮れませんでしたが、ルリビタキ♀を撮影してきました。これで本格的な撮影ができればと思います。

<中川コメント>
連日投稿のKさんですが、何かマンツーマンのやり取りをしている感覚と、そのやり取りを全世界の人と共有している感覚と両方が入り交じって何かとても新鮮な感覚です。一種の男と男の勝負をしている感覚があるのです。1日1日Kさんが成長する様子が手に取るようにわかり、とても嬉しく思います。すでにどっぷりと沼にはまっておられますが、それが爽やかというかすがすがしいというか、沼という言葉からくるイメージとは違う男のロマンをビンビン感じます。BORGの魅力にとりつかれた男のこれからの展開がとても楽しみです。

P.S.今日は朝から嬉しい楽しいコメントばかりで、今日の天気のように心が晴れやかです。 毎日こうだといいのですが、もちろん晴れの日ばかりではありません。半世紀以上生きていると、雨の日や風の日があるから晴れの日の価値が分かるのだ、ということに気が付きます。製品もそうです。良いところばかりの製品など存在しません。メリットもデメリットも含めて、使うしかありません。重要なことは事前にそれが分かっているかどうか?弊社では可能な限り、両面を事前にご説明するように努力しています。基本メーカーなので、良いところばかりアピールしがちですが、長く使っていただきたいので、他社よりはその点は留意しているつもりです。

P.S.2 アストロアーツから野鳥のムック本が明日3月14日に発売されます。「デジタルカメラ野鳥撮影術 完全新版」というタイトルです。BORGは90FLを中心に掲載されています。最初の野鳥ムック本が良く売れたそうで、その完全リニューアル版です。出版不況と言われますが、こういうムック本が売れる時代になったのですね。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

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