トミックスは1976年に誕生してから、走行が楽しめる様に車両以外にもパワーユニットなどの制御機器システム類も展開してきました。
その軌跡をご覧ください。
鉄道模型を走らせる制御機器グループの中心となる製品がパワーユニット(コントローラー)です。
これまでトミックスでは目的に応じて選択が可能なよう、外観・機能共に異なる製品を数多く発売、拡充してきました。
“手軽に始められ、長い間親しめる鉄道模型”の実現のため、センターOFFのダイヤルを搭載したトミックス初のパワーユニットは1976年に登場しました。
電動ターンテーブルの歴史は意外と古く、1978年に登場しました。
付属のセレクターとパワーユニットを接続することで、転向台と転向台上の車両を操作できる当時は革新的な製品でした。
1988年には転向台の回転がよりスムーズになった改良版が登場しました。
※写真は1978年登場時のもの。
直流出力レベルがわかるLEDを使ったパワーインジゲーターとディレクションスイッチを搭載したニューパワーユニットの強化版です。
NECST(ネクスト)はN-garge Electronics Control System of TOMIXの略称で、最新テクノロジーで音、光り、動きで今までに無い鉄道模型の体験を拡充していこうという製品群の名称として1984年に誕生しました。
トランジスターコントローラー DU-1はネクストシリーズ初のパワーユニットでした。
1ハンドルタイプの先駆けとなるパワーユニットがDU-1です。
トランジスタを使用し、加速・減速・惰行(定速)が可能で、当時話題となりました。
2ハンドルタイプのDU-2は徐々にスピードが落ちる惰行運転も可能で、別売りの速度計も組み込むことができました。
停車中の車両でも、ヘッドライトやテールライト、室内照明ユニットを点灯させることのできる常点灯システム専用のコントローラーです。
電源部は付属しておらず、アダプターユニットが必要でした。
ネクストシリーズをさらに進化させ、より快適な模型運転を追及したシリーズとして1996年に登場しました。
配線時の扱いやすさ、操作性、機能性も向上させ、コードはコネクター式に。
ポイントの駆動部が内蔵式となったのもこのシリーズからです。
パルス制御を用いたパワーユニットで、常点灯機能を持ったハイパワー仕様のコントローラーとして1996年に登場。
この製品の登場により、パワーユニットだけでの常点灯が可能になりました。
改良版にあたるN-1001-CLは2009年に登場し、ACアダプター方式になりました。
※写真は「N-1001-CL」
パワーユニットN-500は、ニューパワーユニットから受け継いだセンターOFFのダイヤルでビギナーにも扱いやすい普及タイプのコントローラーとして登場しました。
転向台が手動式の価格をおさえたターンテーブルです。
転向台上の車両はコードをつなげば電動式のターンテーブルと同様に操作することができました。
ネクスト・ネオシリーズの2ハンドル運転台型パワーユニットとして登場。
操作が楽しいばかりでなく、実車の運転台の雰囲気が味わえる製品です。
電源部が内蔵されており、TCS用コネクター端子、2系統のD.C.フィーダN出力端子、サイドコネクターを装備しています。
改良版にあたるN-DU202-CLは2001年に登場し、より実感のこもったデザインになりました。
※写真は「N-DU202-CL」
車両走行専用のパワーユニットで2000年に入門用製品として登場しました。
車両走行専用とあるようにサイドコネクターやTCS用のコネクター端子は付いていません。
マイコン内蔵の扱いやすいセレクターによって、転向台の確実な操作を実現しました。
新設計のセレクターは、ポジションボタンを押すことで転向台の回転を行います。
発車、加速、減速、停止の基本的な操作がビギナーにも扱いやすいマスコンをイメージしたハンドルひとつで行えます。
Nゲージ鉄道模型の本格的な運転操作ができるとともに、デジタル音声によるリアルな鉄道の音を楽しめる高機能な運転台型パワーユニットとして話題を呼びました。
2ハンドルによる列車の運転操作は、マスコンハンドルによって列車の「加速」、「惰行」を行い、ブレーキハンドルによって「減速」、「停止」を行います。画期的なサウンド機能は、さまざまな列車の走行音や警笛、その他の音を臨場感いっぱいに鳴らすことができました。
ミニ鉄道模型運転セットなどに同梱されたダイヤルタイプのコントローラーです。
基本的な操作とポイント切り替え機能が内蔵されています。
「ファイントラック」シリーズに対応したターンテーブルは2009年に登場しました。
車両などの制御を行うコントロールユニットと、コントロールユニットからの無線信号を受け、各接続端子から各部へ電気を送るためのメインユニットで構成されるセパレート型のパワーユニットです。
コントロールユニットとメインユニットは無線により結ばれ、離れた場所から車両の操作や、2個のポイント切り替えを可能としています。
コントロールユニットはグレーの他、レッド、ブラックの3色が発売されています。
ダイヤルタイプのスピードコントロール方式を採用した、普及タイプのパワーユニットです。
側面にはサイドコネクターや各種信号機を給電する、TCSコネクターを設けています。
電源部はACアダプター方式です。
DU-1の後継機で、近年の電車に多い1ハンドル型マスコンを模した運転台型のパワーユニットです。
全8段階の切り替えが可能で、段数位置はLEDで表示され、常点灯に対応、サイドコネクターも装備しています。
パワーユニットの操作による列車運転とは対極の制御機器製品が、TCS自動運転ユニットです。
本体のモード設定ダイアルにより運転モードを設定することで、列車の自動運転を行います。
車両への加工を施すことなく、パワーユニットと組み合わせて、車両の自動運転が楽しめます。
単純なストレートレールでの往復運転から電動ポイントNを使用した複雑な運転、自動運転機能をOFFにしたスルー運転まで、計10パターンのモードが組み込まれ、スムースな発車、停車に加えて、停車時間、加減速率を変えることができます。
なお、電動ポイントNを使用する運転モードでは、自動的にポイントの切り替えも行います。
警報音、警報機の点滅以外に、内蔵の小型駆動装置によって、4本の遮断機の動きまでも実物さながらに再現しています。
1984年に登場した自動踏切セットは、コントロールユニットを間に挟むものでした。
警報音を切り替えられるボリュームスイッチが付いており、当時の列車の検知方法は光センサーでした。
現在まで続くフィーダー取り付け型のセンサーに対応したTCS自動踏切セットは1993年に登場。
これによりカーブ区間にも踏切の設置が可能になりレイアウトの幅が大きく広がりました。
※写真は1993年登場時のもの。
2車線道路に対応したセットは2012年に登場。
※写真は単線、直線区間への組み込み例
(レール、ワンタッチ装着センサーは製品には含まれません)
トミックスの色灯式信号機は3灯式が最初に登場。
以降、5灯式や2灯式など、複線やワイドレールに対応するもの、腕木式信号機まで多彩な製品が登場しました。
当時の自動信号機システムは列車の検知方法に光センサー方式を採用していました。
1992年に登場した3灯式自動信号機は列車の検知方法がタッチセンサー方式になり、完全な暗闇でも使用できるようになりました。
※写真は1992年登場時のもの。
現代的な白色の信号機は2004年に登場しました。
4灯式は減速表示(黄・青)型と警戒(黄・黄)表示型の2タイプで登場。
※写真は「TCS 5灯式信号機(F)」
3灯式と2灯式の白色の信号機は2005年に登場。
※写真は「TCS 3灯式信号機(F)」
昭和中期頃までの鉄道に於いて、ごく一般的に用いられていた信号機で、ディーゼルカーなどが往来する非電化ローカル線の情景を再現するのに欠かせないアイテムとして、2007年に登場。
腕木や信号柱下部のウエイトも実物同様に動作します。
パワーユニットN(ESを除く)とポイントコントロールボックスN-Sを使用することで、腕木を遠隔操作でき、ベース部の切替ノブで手動による操作も可能です。
※写真は「腕木式主本線用出発信号機(F)」
ワイドPCレールに対応した信号機は2012年に登場。
信号用壁パーツを使うと、信号機周辺も壁や柵で囲うことができます。
信号柱と反対側の道床を着脱式としており、ホームの横にも設置できます。
※写真は「TCS5灯式信号機WP(F)」
模型列車の前面映像が家庭用のビデオ端子付テレビで観ることができる画期的なシステム製品として話題を呼びました。
パワーユニットを除く、必要なアイテムが一通り揃ったセットで、すぐにでも“運転席からの眺め”が楽しむことができました。
各機器との接続は簡単に行える上、付属する専用車両は特別な加工は要らず、一般車両製品と同様に扱うことができました。
これからのトミックスにご期待ください。
SHARE