ご好評いただいている『153系』に冷改車が加わります!
今回はその特徴をご紹介いたします。
※写真はいずれも手塗りサンプルです。
2016.06.30.up
153系は、当初サハシ153形のビュッフェ側のみ冷房が搭載されていましたが、1964(昭和39)年より優等列車のサービス向上を目的に、まずサロ152形の冷房化改造が開始されました。1968(昭和43)年度には普通車もその対象となり、ほとんどの車両が順次冷房化されていきました。なお、1965(昭和40)年より急行形サロのリクライニングシート化が行われたため、リクライニングしない回転式クロスシートだったサロ153形は、順次近郊形へ転用されることになり、全車がサロ110形へ改造されました。冷房化は同形への改造後に行われています。
製品は、冷房化改造後の153系をプロトタイプとしています。基本セットは、両先頭車を低運転台としたものと高運転台のものの2種、増結セットはモハユニットをモーター付とモーターなしで2種、さらに単品でサハ153形のMG(電動発電機)・コンプレッサー付の200番代とサハシ153形に加え、同系に混成で使用されたサロ163形の帯入りと帯なしの2種をラインナップいたします。また、先頭車の幌枠は、いずれもオレンジに塗られた姿を再現しています。
前述の通り、新製時の153系はサハシ153形のビュッフェ側以外は非冷房で、後の改造により冷房化されました。そのため、各形式によってさまざまな種類のクーラーが搭載されているのが大きな特徴となっています。先頭車とパンタグラフ非搭載の普通車、サハシ153形の座席側は分散式のAU13形(写真左)、パンタグラフ搭載車のモハ152形は屋根上スペースの都合から、集中式のAU72形(写真中央)が採用されました。サハシ153形のビュッフェ側には"きのこ型"のAU12形(写真右)が装備されており、角形のAU12形搭載のサロ152形も合わせると、4種類ものクーラーのバリエーションが見られました。また、クーラー脇に並ぶ前後両方向に対応した押し込み型ベンチレーターは、同系で初めて採用されたもので、それまでの車両は進行方向ごとに向きを変えた、必要数の2倍のベンチレーターが設置されていました。
製品でも実車に合わせて、形式ごとに異なるクーラーを始めとする屋上機器も再現しています。
最盛期には東海道・山陽本線を中心とした急行・準急として各地を走り回った153系も、新幹線の開業と西への延伸に合わせて、活躍の場が徐々に縮小されていきます。余剰となった車両は格下げとなって各地で快速・普通列車として運用されました。1975(昭和50)年の山陽新幹線博多開業で、山陽急行が「鷲羽」を残して全廃された際には、房総急行として転用され、急行列車が減少する中で最後の一花を咲かせる形となりました。
製品ではヘッドマークも豊富に取り揃え、「鷲羽」「比叡」に加えて独特なスタイルの「山陽」と、晩年まで活躍した房総の各急行が付属します。前面方向幕も「急行」と無地を用意していますので、東海道・山陽急行時代の末期や房総地区で最後の活躍をしていた急行列車はもちろん、快速・普通列車の同系も再現できます。
急行形電車の礎を築いた153系。
次回は同系と共に活躍したサロ163形をご紹介する予定です。
どうぞお楽しみに!
[戻る]
[進む]
Copyright. 2016. TOMYTEC