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153系に組み込まれて活躍した163系唯一の形式「サロ163形」。
今回は実車紹介と共に製品の特徴をご紹介いたします。
2016.08.04.up

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 163系は、153系の出力アップ版として、勾配向けの165系から抑速ブレーキや耐寒耐雪設備などを外した設計で計画された急行形電車のグループです。東海道新幹線が開業すると平坦向けでは使用線区が限られることから、製造が一旦見送られましたが、急行形サロのリクライニングシート化が計画されたため、山陽地区用としてサロ163形が1964(昭和39)年に登場しました。その後、その他の形式は製造されず、サロ163形が同系唯一の存在となりました。同形は、実質153系グリーン車の増備車として153系編成に組み込まれ、1983(昭和58)年まで活躍しました。
 製品では、サロ152形と異なるドア点検口の高さや側窓の把手の有無など、サロ163形の特徴を捉え、等級帯が入った姿と等級帯廃止後の姿の2種を発売いたします。また、サンバイザーは、同時再生産予定の『サロ152形(冷房)』がクリアグリーンなのに対し、『サロ163形』は共にクリアブルーで再現しています。
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 台車をご覧ください。153系の付随車はTR59形台車(写真左)を履いていましたが、サロ163形ではTR69形台車(写真右)が採用されました。この台車は「インダイレクトマウント方式」と呼ばれ、揺れ枕吊り構造を廃し、保守の容易化と振動性能の向上がなされています。性能の良さから、その他にも117系や417系など一部の近郊形電車と、165・451・471系を始めとする急行形電車、183・485・583系を始めとする特急形電車を中心に幅広く採用されました。
 製品でも実車に合わせて、サロ152形とは異なる足回りを再現しています。
photo サロ163形と165系のサロ165形は、いずれもサロ152形をベースとしているため、後位側には回送用運転台が設置されており、外観はほぼ同様の形状をしています。また、サロ163形は新製時から冷房付で、クーラーは角形のAU12形を搭載していましたが、先に製造が開始されたサロ165形では、29番までは非冷房、30番からは角形のAU12形を、130番以降はAU13形を搭載して登場しました。後に29番までも冷房化されたため、サロ165形の129番以前とサロ163形はクーラーも含めて瓜二つとなりました。なお、サロ165形も、異形式ながら153系の編成に組み込まれて使用される姿が見られました。
 製品では、回送用運転台が付いた妻面のフォルムも再現しており、付属の転写シートによって、サロ165形とすることも可能です。また、ヘッド・テールライトは非点灯ながらレンズパーツを使用し、実感的にしています。
わずか7両の小グループであった163系。
希少な同系が、153系と混成で活躍する姿を再現してみてはいかがでしょうか。
次回の情報室も、どうぞお楽しみに!
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