miniBORG45ED 倒立像のレポート (2回目:草野様)

「撮影編」


1、撮影システム

今回、レデューサー0.85×DGもお借りすることが出来ましたので、直焦点とレデューサー併用の2通りの組み合わせで撮影しました。それぞれのパーツの組み合わせは以下の通りです。

直焦点(D=45mm,f=300mm,F6.7)
ミニボーグ45ED本体+7602+M57ヘリコイド+M57回転装置+カメラマウントホルダーM+カメラマウント

レデューサー併用(D=45mm,f=255mm,F5.7)
ミニボーグ45ED本体+7602+M57ヘリコイド+M57回転装置+レデューサー0.85×DG+カメラマウント

カメラは、Nikon D70を使用。
赤道儀は、高橋製作所P-2Z(両軸駆動改造)を使用し、高橋製作所40mmガイド鏡とミードPictor201XTでオードガイドしました。


2、撮影条件

撮影地:佐賀天文協会太良観測所で撮影しました。冬の天の川がうっすら見える程度の空です。

気温:10度くらいでしょうか?きちんと測っていません。
カメラの設定:RAW、ISO800、ホワイトバランス:晴天時
露出:直焦点、レデューサー併用ともに10分に統一しました。

画像処理:ダーク減算に古庄氏のRAPを使用し、コンポジットその他にAstroartsのStellaimage4を使いました。カメラのノイズリダクション機能は使わずに、別にダークフレームを撮像してRAPでダーク減算を行いました。
直焦点は10分×2フレーム、レデューサー併用は10分×4フレームのコンポジットです。
直焦点のフレーム数が少ないのは、途中で曇られてしまったためです。


3、撮影結果

<直焦点>

中心付近は十分にシャープで青にじみも感じません。青い反射星雲も良く写っています。
ですが、中心~周辺に向けて半分を過ぎた辺りから急激に星像が悪化します。
これはおそらく像面湾曲の影響が大きいのかなと思います。

 注)実写データ3枚は容量の都合で割愛させていただきました。

 

<レデューサー併用>


ノートリミングのフルサイズの画像(写真:M45S_1)


中心部の拡大(写真:M45S_2)


中心~周辺部の拡大(写真:M45S_3)

中心付近は直焦点と同様にシャープで青にじみも感じません。焦点距離が短くなった分だけ解像がやや劣りますがこれは仕方ないですね。青い反射星雲の写りはFが明るい分だけ上回っています。

周辺部の星像は直焦点とは全く違いますね。周辺まで素晴らしい星像です。
友人がブローニーフィルムを使った円形写野ではどうだろう?と言ってました。


4、まとめ

思っていた以上に良く写ってくれて満足でした。特にレデューサー併用時は周辺まで素晴らしい星像で驚かされました。デジタル一眼は光学性能への要求が厳しいのですが、このレデューサーはなかなかいいなと思いました。
お気楽撮影または広写野用として魅力的です。

ただちょっと気になったのが、鏡筒をプレートに取り付ける際にねじ一本で固定しているため鏡筒が天頂を向いているときはいいのですが、中天~低空の天体を撮影する際にねじが緩む方向にモーメントがかかると撮影中に鏡筒が動いてしまって星像が流れてしまうことがありました。
本格的に撮影用として使うには鏡筒の固定方法を考える必要があります。


5、謝辞

今回は、貴重な機会を与えていただきありがとうございました。
一ヶ月間とても楽しませていただきましたし、製品の特徴を知ることが出来ました。
私のレポートが皆様のお役に立てば幸いです。

 


草野さまから、星野撮影のレポートを頂戴しました。
45EDのレデューサー併用によるシャープな画像がよく分かります。

少々難しくなってしまったかも知れませんが、レデューサー併用時のシャープさは特筆すべきものがあります。(地上用望遠鏡としてはオーバースペック過ぎますね)45EDのシャープさの秘密(精度の高さ)の片鱗が現れる画像として、ご覧頂ければ幸いです。

鏡筒の固定ネジは、カメラネジ1本によるものです。ご指摘の通り、本格的な撮影には少し心配もあると思います。現在、ミニボーグ用の鏡筒バンドや足付き2インチホルダーなどを企画していますので、今後の新製品にご期待頂ければ幸いです。

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