miniBORG45ED 倒立像のレポート (初回:草野様)

「観望編」

1、ファーストライト

10月30日、この日は元々星見に出かける予定でいましたが、仕事を終えて帰ってみるとミニボーグ45EDが届いていました。明るいところで荷物の確認をしたかったのですが、あまり時間もなかったので、取り急ぎ三脚と送られてきたダンボール箱を車に積んで、いつもの観測場所に向かいました。

観測地では仲間が何人か来ていて機材が並んでいます。私も早速暗闇の中(^^;)梱包を解いて組み立てにかかりました。接眼部のパーツをどう組み合わせれば無限でピントがくるのか?悩みながらもどうにか組み上げました。


組み合わせは、ミニボーグ45ED本体+7602+M57ヘリコイド+
SD-1XのAパーツ+31.7mm天頂プリズム+アイピースです。

早速、PentaxXL28mm(10.7倍)で月を見てみます。すると素晴らしく抜けのいい視界にシャープな月が浮かんでいます。周りの仲間にも見てもらいましたが、みんなクリアーな像に驚いていました。次に、アイピースをPentaxXL7mm(42.9倍)に変えてみます。
それでもシャープさはびくともしません。相変わらずクリアーな像です。
さらに、VixenLV4mm(75倍)に変えてみます。シーイングが悪く、像はゆらゆら揺れてますが色収差も明縁部に極わずかに感じる程度です。

もう少し見たかったのですが、雲が広がってきてしまい、ファーストライトはここまでになってしまいました。

 

2、赤道儀に乗せての観望

11月2日の夜、この日は安定した晴天になりそうだったので、こんどは赤道儀に乗せて本格的に観望を行いました。


機材の組み合わせは、前回と少し変えて、ミニボーグ45ED本体+7602+M57ヘリコイド
+7364+31.7mmアイピースホルダー+31.7mm天頂プリズム+アイピースです。
赤道儀は、高橋製作所 スカイキャンサー(改)です。

PentaxXL14mm(21.4倍)で、M31、M45、二重星団、M42を観望しました。
視野中心から6割程度までは素晴らしいシャープな像です。
それから端に向かって徐々に像が崩れますが、極端なものではないので普通に観望している分には全く気になりません。

次に、VixenLV4mm(75倍)で二重星を観望しました。対象はアンドロメダ座γ星です。
楽勝で分離しており、主星、伴星にジフラクションリングが取り巻いて見えます。
焦点内外像もチェックしてみました。やや非対称で、干渉リングにはわずかに着色を感じますが焦点像にはあまり影響は感じません。とても美しい眺めです。

 

3、まとめ

<見え味>
口径45mmでEDを使っているだけあって、色収差も大変少なく、素晴らしくシャープな像が楽しめます。また、マルチコートのおかげで視野の抜けもよく実にクリアーです。

<スタイル>
ミニボーグ45ED本体は、一番短くするととてもコンパクトで、旅行に持っていくにも.?いいですし、お気楽観望用としても魅力的です。反面、接眼部のパーツが長くなってしまい、どうしてもバランスが悪くなります。その分いろんなパーツを取り付けることができ、汎用性はあるのですが...。
今回、赤道儀に取り付ける際にはマンフロットのユニバーサルスライディングプレートを使ってバランスを調整しました。

あと、せっかく鏡筒が斬新なデザインなのですから、鏡筒の色も一般的な白黒ではなく、いろんな色を選べるようにしてはどうでしょうか?

<使い勝手>
高倍率で次々と対象を導入しようとすると、どうしてもファインダーが欲しくなります。
改造なしでファインダー台座が付けられるようにしてはどうでしょうか?
また、昼間に鳥用として使うにしても、スポッティングスコープの照準線に相当するものがあってもいいと思いました。

あと、接眼部のパーツを付け替えるときに、はずしたくないパーツまで一緒に回ってしまうのが気になりました。ねじ込み式の宿命ですね。フォークマウントも使ってみましたが、少しタッチが硬く、バックラッシュも大きいように感じました。高橋の赤道儀と比べてですが。

以上、とりとめのない文章、ご容赦ください。
次回は、天体撮像のレポートをお届けいたします。

 


草野さまには天体用としてのレポートをお願いいたしました。
本来ですと、デジボーグ=地上撮影なのですが、最近は天体も地上もというご要望が非常に多いため、敢えて天体用途のレポートをお願いした次第です。

非常に知識と経験をお持ちの方ですので少し内容が専門的になっていますが、天体望遠鏡としてのミニボーグ45EDのメリットがよく分かるレポートを頂戴いたしました。

次回はいよいよ撮影編とのことです。
非常に楽しみですね。

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