TOMIX HO情報室
板谷峠で活躍したF級交流機関車「EF71形」。
今月の発売に向けて鋭意開発中です。
まずは実車紹介と各部のディテールをご覧ください。
2018.09.06up
EF71形は、直流電化されていた福島〜米沢間の交流化と米沢〜山形間の電化に合わせ、ED78形と共に1968(昭和43)年に登場した交流電気機関車です。福島〜米沢間には33.3‰(パーミル)の急勾配が続く板谷峠が存在し、ED78形の重連では重貨物列車の引き出しにけん引力が不足することから、出力を増強したF級のEF71形が製造されました。急勾配に対応するため交流回生ブレーキや転動防止ブレーキも備えており、制御方式はサイリスタ位相制御が採用されました。当初は板谷峠の補機という役割でしたが、次第にED78形と同様に福島〜山形間を通しで運用されるようになり、ED78形との重連やEF71形どうしの重連運用も多く見られました。寝台特急「あけぼの」もけん引して活躍しましたが、福島〜山形間の改軌に伴い、1993(平成5)年までに全機が引退しました。
トミックスでは、1次形の11号機までを基に、国鉄仕様をスタンダードモデルとプレステージモデルで、JR仕様をスタンダードモデルで製品化いたします。いずれも乗務員室の側窓がアルミサッシ化されていないオリジナルの姿としています。また、JR仕様はヘッドマークステーも再現しており、「あけぼの」を始めとするヘッドマークが付属します。
寒冷地を走るEF71形の前面窓には、デフロスタ(11号機まで)やつらら切りが装備され、割れたつららで窓ガラスが破損しないようにプロテクターが取り付けられる構造となっていました。そのため、窓周りにはその固定用のボルトが付いています(写真左)。また、前面のステップは、貫通形ながら厚さの薄いタイプが初めて採用され、姉妹機のED78形とは表情が若干異なっています。2エンドは重連用のKE77形A・Bジャンパ栓が並んでステップを跨ぎ、数々の耐寒装備と相まって、無骨なイメージとなっています(写真右)。
製品でもそれらの特徴を捉えて、プロテクターのボルトはもちろん、デフロスタは国鉄仕様では取り付けられた状態を、JR仕様は撤去された姿としています。ジャンパ栓や栓受けが並ぶにぎやかなスカート周りも可能な限り再現しています。
屋根上をご覧ください。EF71形のパンタグラフはPS101C形を搭載し、バネカバーの形状は角形と丸形のものが見られました。また、前頭部の塗り分けも黒色の塗装範囲に違いが見られました。
製品では、バネカバーを国鉄仕様は角形、JR仕様は丸形としています。さらにJR仕様は列車無線アンテナが付属し、前頭部の塗り分けは黒色の範囲が広い姿を再現、国鉄仕様と細部を作り分けています。
晩年は2〜3両の50系客車を単機または重連で引く姿が印象的でした。
スイッチバックが懐かしい当時を模型で再現してみてはいかがでしょうか。
次回もお楽しみに!
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