新年最初の更新です!
前回に引き続き修学旅行用電車『155系』をご紹介いたします。
実車の特徴の解説と共に各ディテールをご覧ください。
2012.01.26up
155系はコストダウンのため、ベンチレーターがグローブ形(写真左)となっていました。製品ではこのベンチレーターを新規製作し、立体感を追求するため、一体成形ではなく2つのパーツ(写真右)によって再現することで、より実感的な仕上がりとなりました。 また、屋根上のお椀のような突起(写真左)は、低屋根構造により扇風機の設置スペースが不足するのを補うため、部分的に屋根を盛り上げてスペースを確保したことによるものです。製品では、このような特徴も的確に再現しています。
実車では、定員を確保するため、客室は2列+3列のボックスシートとなっており、定員増に伴う収納力確保のため、シートの真上には枕木と同じ方向に網棚が設置されました。各ボックスには、学習や食事用の跳ね上げ式テーブルが付いており、車端部には飲料水タンクやくずもの入れ、男子用小便所、2人同時に使用可能な大型洗面台が設置されるなど、修学旅行用としてふさわしい工夫が随所に施されていました。また、前位側の客室とデッキを仕切る壁の上部中央付近には電池式の時計が取り付けられ、クハ155形はその隣にスピードメーターも設置されるなど、学生にはうれしいユニークな内装となっていました。製品では、特徴的な2列+3列シートを、実車の青い簡易モケットをイメージした別パーツで再現しており、窓越しに見える客室をより実感的にしています。
155系は、座席定員制の運用が主体であり、デッキでの立客や任意の乗降がないため、客用ドア幅の見直しによる車内スペースの確保が図られました。その結果、ドア幅は設計のベースとなった153系が1000mmであるのに対し、同系では700mmとされ、さらに戸袋窓を廃止すると共に、確保されたスペースには、前述の飲料水タンクやくずもの入れが設置されました。
また、155系の初期グループは、編成を組む際に両端が先頭車の4両(1ユニット)と、片方を中間車サハ155形とした4両(1ユニット)で組成されていました。そのため編成の中間に組み込まれたクハ155形がサハ155形と連結される姿も見られました。製品では、実車の4両ユニット方式に沿った基本セットと増結セットの2種にまとめ、いずれもモハ154形をモーター車としました。両セットの組み合わせにより編成の組み替えが容易で、最大16両編成で運用されていた往時の迫力ある長大編成を再現することができます。
今となっては懐かしい修学旅行用電車。
手に取れば、あの頃の思い出が甦ってくるのではないでしょうか。
次回の情報室もお楽しみに!
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