TOMIX
JR東日本商品化許諾申請中
2017年5月に運行が開始された「TRAIN SUITE 四季島」の
コンセプトは「深遊探訪」。色濃く変わる四季のうつろいと、
今までにない体験や発見を通じて、まだ知らないことがあったと
いう幸福を実感していただきたい。
そんな想いがこのメッセージに込められています。
"プログレッシブグレード"と位置付けた
TOMIX「E001形 TRAIN SUITE 四季島」も今までにない鉄道
模型体験で、お客様を新たなステージへいざなう、次世代モデルです。
11月発売をむかえるにあたり、わたしたちトミーテックが開発・
製造過程で生み出していく「新たなステージ」を、
一部ではありますが“開発記”として、ご紹介いたします。
「次世代の鉄道模型の旗艦となるモデ
ルをつくりたい」 我々トミーテックは
そんな思いで、 今までの「ハイグレード」の枠を大きく超える、 〝"こだわり〟"
や〝"現時点での最新技術〟"がつまった
製品を企画致しました。
そして、この企画で生み出された次世
代モデルを、新たなグレード=「プログ
レッシブグレード」と名付けました。
<Progressive=進歩的な、
革新的な、漸進的な>
匠の魂を込めた「プログレッシブグレード」の自信作で、 鉄道模型の新たなス
テージへの第一歩を、 鉄道模型を愛す
るみなさまと共にできれば幸いです。
No. 1 / 3
「今までにない鉄道模型体験」を実現するに際し、“実車を精密に再現する”
鉄道模型の原点のひとつに立ち返り、写真や実車の設計図を基にするのはもちろん、
実際の車輌を取材させて頂き、採寸を行いました。
車輌の外観はもちろん、魅力的な内装の数々までしっかりと目にし、写真ではわから
なかった細部、設計図のダウンサイジングだけでは表現できない、「見た目の印象」
までもとらえることができました。
それらの貴重な情報を、“こだわり”として変換し、製品設計の中に込めてみなさまの
お手元に届けることができればと思います。
独創的なシルエットと開放的な窓が特徴の先頭車を再現するにあたり、
ひと手間をかけることにしました。
運転台の窓ガラスパーツと車体パーツを分割で成型。
窓ガラスの裏側から印刷を施すことによって、
運転席周りの窓を実感的に 再現しています。
鉄道模型の精密再現の定番、屋根上部分には新たな挑戦を行いました。
新規のパンタグラフ、多数の碍子が並ぶ姿はもちろん、
碍子を結ぶ配管を別パーツにて新規製作。
カラーもより実車に近づけるように努めました。
左右4つずつのヘッドライトは、実車の印象的な明るさを表現したいと
思い、左右別々のLEDを装備させることにしました。2つのLEDか
らの光を受けて輝くヘッドライトには、実車にみられるLEDの造形も
彫刻で再現しました。
ヘッドライトの強い輝きを他に漏れなくするための
遮光ケースは、当初、どうしても大型化が想定されました。
しかし、窓外から内部を見た際に、実車にはない遮光ケースが目立たな
いように、形状を検討し、コンパクトに収めることに成功しました。
運転席の再現は鉄道模型ではよく見られることですが、今回はより深く作り込み、 マスターコントローラー、コンソールはもちろん、運転席のひじ掛けなども立体化しました。
先頭車に積まれたエンジンは、実際に使用されているエンジンの形式を調査し、よりディティールの高い再現性をもたせました。
客室にあるテーブルは、ネットや雑誌の写真で見ると「楕円」に見えますが、これは カメラレンズの広角の影響です。
実車取材で我々が目にした実際の円形に近い形を再現しました。
旅の楽しみである入浴。外の景色を味わいながらゆったりと入浴できる浴室は、障子窓を 別パーツにするのはもちろん、パーツの差し替えで「半開き」状態にもすることができます。
乗車のエントランスとなるラウンジカー。その特徴的な外観の扉をボディ一体型ではなく、別パーツで再現。
より立体的に、かつ扉の「艶」感の再現にもチャレンジしました。
ラウンジに設置されたピアノも実際に使用されているものを調査。
ピアノ本体の背面形状や演奏用の椅子も再現しました。
1/80スケール16.5mmゲージでも好評のキヤノンプレシジョン株式会社と共同開発の新型モーターを搭載。
低速が効き、急発車・急停車のない、より実車に近い滑らかなスピードの変化を目指しました。トルクが強く、登り降りのスピード変化を抑えることができます。
安定した電力供給を実現する通電カプラーも新しいものをご用意しました。密着連結器のデザインを模すことで、見た目もより実感的になっています。
各部の寸法・構造の見直しを行い、
走行性能を向上させます。
台車をパーツ変更で3種類再現しました。また、先頭台車のスノープロウの形状や、車両逸脱防止装置のデザインも表現しました。
四季島の美しいボディ色を再現するために、実車取材を重ね、
特注配合の塗料を準備しました。
特注配合の塗料を最大限に活かすため、トミックス初の「UV加工」の技術を採用しました。 これにより、光沢度が高く高級感のある仕上がりとなります。
先頭車エンジルーム周辺の特徴的な赤色の通路を塗装で表現しました。
車体ロゴは再現性の高いタンポ印刷で行います。展望車の絨毯は別パーツの金型をおこし、 実車で使用されている絨毯のデザインをイメージした印刷を施します。
※タンポ印刷…
凹版から弾力のあるシリコン等に絵柄を移し、
表面へ印刷するという印刷方法
パンタグラフの集電シューの銅色部分を
トミックスNゲージでは初めてホットスタンプ印刷で再現します。
※ホットスタンプ印刷…
色箔などを表面に貼り付けて熱と圧を加え転写する、
金属光沢を出す印刷方法
ヘッドライトは下の方を明るくし、実車のイメージに近い表現にしました。
単純な室内灯だけではなく、実車内でみられる間接照明のイメージを
表現することにも挑戦しました。
新規製作の通電カプラーにより、室内灯のちらつきを抑えた走行をお楽しみ頂けます。
限定版の製品は、特製のパッケージにてお届けいたします。
実車をイメージしたカラーにロゴをあしらった、
スリーブと箱をご準備致しました。
門柱・ピアノ・コートハンガー・暖炉など
「LOUNGE こもれび(5号車)」の
こだわりぬいた内装を動画でご確認ください。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
TOMIX「TRAIN SUITE 四季島」開発記、
いかがでしたでしょうか。 今回は一部しかご紹介できませんでしたが、まだまだ我々の「こだわり」は本製品の
随所に込められております。
ぜひ実際に手に取って、1両1両じっくりと「発見」を
して頂き、「今までにない鉄道模型体験」を味わって
頂けましたら幸いです。