ミニボーグ60テストショット
大変お待たせいたしました。新製品のミニボーグ60を使ってデジボーグによるテスト撮影を行いました。
ミニボーグとしては最大口径、通常の金属鏡筒シリーズの50EDより大きなレンズに期待が出来ます。既にトピックスでもお伝えしているように、天体の観察にはよい結果が出ています。
さて、デジボーグでは如何に?


最初に撮影システムについて簡単にご紹介します。
レンズはもちろんミニボーグ60です。カメラはいつものPowerShotA80 を、アイピースにはUW-9 を使ってみました。望遠鏡としては、36倍になっています。また、今回は一般的な使い方を想定していますので、[4801]地上プリズムも利用しています。

 

こちらは今回使用したシステムです。
カメラには照準器と液晶モニターフード、さらにケーブルレリーズをセットしてあります。
それから、片持ち式フォーク型赤道儀とバランスプレート(試作品)も利用してます。

 

最初に撮影したのは、バンです。
黄色っぽい大きな足が印象的ですね。

 

続いて、難しい鳥です。
真っ白い被写体はどのスコープでも悩ましいですが、やっぱりきつい試験です。
鳥の背中に青い滲みが見えています。色収差ですね。

 

冬の鳥、ツグミです。
少し眠いような感じですね。撮影時には輪郭強調を弱にして、後からアンシャープマスクを掛けていますが、元の画像がいまいちだったと思います。露出補正をアンダーにしてあったことと、白い部分が高輝度でなかったので色収差はほとんど分かりません。

ご紹介した写真は、ノートリミングです。また、撮影時には輪郭強調を弱に、さらに露出補正をアンダーにしてあります。
画像処理は露出バランス調整と、アンシャープマスク、解像度変更のみ行いました。一般的な処理だけとし、色収差の補正や歪曲補正の手法は用いていません。
あくまでも試作品のテストショットですので、ご参考まで。

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使ってみた感想


正直なところEDレンズを見慣れた感覚では、色収差が気になりました。
特に、写真で分かるように天気がよい日の白い被写体は、紫の色収差が出ます。この点はどのアクロマートレンズでも同じですから、ミニボーグ60を責める理由にはなりませんね。他社製品でも同じようなものだと思います。

それから、ミニボーグ60は焦点距離が325mmありますので、倍率や合成焦点距離が長いため、余計に色収差が目立ってきます。本当はもうちょっと倍率を下げて使う方がいいと思いました。LV20とかかな?

EDタイプは品薄で入手が難しく価格も高いので、アクロマートレンズはリーズナブルな選択肢としてはいい線でしょう。45EDとの価格差は¥7000ほどありますが、口径が大きいアドバンテージがあります。どれにするか選ぶときには迷いそうですね。

一般論になりますが、口径が大きい方が速いシャッター速度が使えます。
また、解像力も向上してより遠距離でも使えるので、基本的には大きい方が能力は上です。悩ましいところですね。

全く話が変わりますが、他の望遠鏡と一緒に天体を見る機会がありました。弊社の77アクロマート、某社の102アクロマートとミニボーグ60を使って月を観望したのですが、ちょっとびっくりしました。なぜミニボーグ60は良く見えるのだろうか?小さくて華奢なボディーにギリギリの寸法で納めたレンズ、どう考えてもあまり良くないのでは、、、。
メーカーの人間がこんなことを言うと宣伝だろうと思われるかも知れませんが、これが私の正直な感想でした。社内の人工星による目視テストでもびっくりしましたけれど、こうやってフィールドで使うと納得するものがあります。

 

2004/02/10
03/30追記

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