ミニボーグとジオマの50EDもどき

今回ご紹介する機材は、かなり変な構成です。
光学的な性能は申し分ありませんし、見え味も十分良いものに仕上がっています。けれども、4つの望遠鏡を合体したような奇妙な構成になっています。

 


写真をご覧いただいて、この望遠鏡の正体がおよそご理解頂けたでしょうか?もしもすぐに分かった方なら、相当な通だと思います。

望遠鏡の4つの要素をご案内いたします。
これだけの要素を詰め込んだ正立系の望遠鏡になっています。

1)BORG50ED対物レンズ
2)ミニボーグで良く使うパーツ類
3)ビクセン製 ジオマ52s(対物レンズ取り外し)
4)コーワのアイピース

 

さて、少し種明かしというかご説明を致します。

まず最も重要な対物レンズは、BORG50EDです。
このレンズ、焦点距離が500mm もありまして時代に逆行するタイプです。ジオマと組み合わせるにしても、45EDの方がベターで使い勝手は良いですね。
また、ジオマと組み合わせる場合は、F値の小さいタイプはプリズムのケラレが不安になります。そこで、F値が10で安心して使えそうな50EDをセレクトしてみました。

対物レンズの部分は80φサイズ、そして次に繋がる筒は60φです。ミニボーグの鏡筒は60φですから、何となくサイズを掴んで頂けるでしょうか。2つのパーツのつなぎ目には、[7128]76ED→ミニボーグADを使っています。また、80φの短い筒は、[7050]80φL50鏡筒です。

ここではミニボーグの鏡筒は使用せず、延長筒(白:試作品、黒:通常品)と、[7857]M57ヘリコイドを使っています。ジオマとの接続については、45EDの場合と同じで、[7460]M60→M60ADを使用しています。

ジオマの接眼部に取り付けているアイピースは、コーワのTSE-21WD (焦点距離17mm?)です。パーツ関係は、[7524]M42P1→M57ADと[7522]M57→36.4AD、[7317]31.7ミリアイピースホルダー、[7164]コーワアイピース31.7ADです。

 


見え味と使い勝手

見え味は、ほぼ期待通りでした。50EDの長焦点を生かして、比較的倍率を上げやすいのもメリットになります。また、組み合わせたコーワのアイピースは期待に違わぬ高性能でした。このアイピースは素直な描写ですし、見かけ視野とアイレリーフもデジボーグで使いやすい様に設定されています。お勧めできる1本です。

次に使い勝手ですが、生憎あまりお勧めはできません。
写真をご覧いただいても想像できる様に、対物レンズ側が長くて重たくなっています。そのため、どうしても操作性が犠牲になりますね。ピント合わせは[7857]でなく、ジオマのピントノブで使う方がベターです。それと、機材の支え方を工夫して、2点で支えた方が明らかに良い物が出来ると思います。

 

強風のため、野鳥の実写テストは見合わせました。
今回は近距離撮影サンプルとして、距離5m以内の壁面タイルを掲載しておきます。ジオマの鏡筒伸縮も手伝って、もっと近くても十分ピントが出せる構造です。

光学的な性能は良いので、出来ればもっとコンパクトにして操作性を向上させたいなと感じました。あれ?それなら45EDで良いのかもしれませんね。

今回はかなり際物となってしまいました。
こんな変な組合せも出来るぞと、笑って頂ければ幸いです。まだ新年ですので、冗談企画お許しください。

 


※50EDは生産中止機種(2004年末)です。

 

 

2005/01/13
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