BORG WORLD 画像作例集

IC405-410.jpg
・勾玉星雲 IC405 & IC410(IC405-410.jpg) 【撮影データ】 2017年10月1日 ミニボーグ55FL+レデューサー0.8×DGQ55(D55mm, f200mm) SXP赤道儀 Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO100, 露出600秒×16コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド 撮影:HIROPON様IC405-410-org.jpg
上の画像の未処理の状態
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撮影環境1:普段、撮影に利用している公園です。都心にしては珍しく、広々としていて空を 遮るものがほとんどない環境ですが、周辺にはLED照明や蛍光灯、水銀灯が多数あります。 特にLED照明は、直射こそしないものの広い範囲に光を散らしていて、かなりの眩しさです。
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撮影環境2:普段、撮影に利用している公園です。都心にしては珍しく、広々としていて空を 遮るものがほとんどない環境ですが、周辺にはLED照明や蛍光灯、水銀灯が多数あります。 特にLED照明は、直射こそしないものの広い範囲に光を散らしていて、かなりの眩しさです。

<撮影者のコメント>
中川 様 お世話になっております。以前、アストロアーツに投稿していたM42の写真を ご紹介いただいたり、モンキー星雲の写真を掲載いただきましたHIROPONです。
http://www.tomytec.co.jp/borg/world/blog/2015/12/55220151224.html
http://www.tomytec.co.jp/borg/world/blog/2016/01/20160104.html

梅雨入り前後に念願の「BORG55FL+レデューサー7880セット」を購入させて いただいたのですが、この夏は天気が悪くてずっと防湿庫の中。9月、10月になって ようやく晴れの夜が出てきましたので、都内からですが、早速撮影を行ってみました。10km圏内に渋谷や新宿、川崎をひかえている上、公園の北側に隣接して都内屈指の 幹線道路が走っていることもあって光害は激烈。透明度の高い真冬の深夜でも、 条件最良の時で最微等級は3.5等前後がせいぜいで、時期によっては3等星すら 怪しくなります。

広がりが大きく、APS-Cのカメラではこの焦点距離でないと撮れない対象です。 大変淡く、撮ったままの未処理の状態(IC405-410-org.jpg)では都心の光害に埋もれて 何も見えませんが、丁寧に処理してやると、赤いガスが浮かび上がってきます (さすがに相応に荒れていますが)。ここまで星雲を浮かび上がらせるにはかなり強烈な画像処理が必要なのですが、 破綻しきらずにギリギリで踏みとどまれるあたり、光学系の素性の良さの表れかと思います。色収差はほぼ皆無で星の周りに嫌な色づきはなく、周縁部の星像の崩れも ほとんどありません。周辺減光もきれいな同心円状で、フラット補正は都心での撮影にしてはかなり容易でした。

ただ、実際に使ってみると合焦範囲は極めて薄く、星像をライブビューで判定する程度ではまるで不十分。バーティノフマスクのような補助ツールは必須という印象を 受けました。また、最後のピントの追い込みの段階では、ヘリコイドに触れるか触れないかというくらいの微妙な操作が必要です。このセットを使いこなす上では、このピント合わせの部分が1つ大きな要点になるのでは ないかと感じました。

なお、光害のひどい都心だとわずかな露出であっという間に飽和してしまい、露出時間が なかなか稼げません。そこでカメラの設定感度をあえて下げ、露出時間を確保することで センサーの露光量を増やしています(デジカメの場合、感度設定を上げても内部での シグナル増幅率が変わるだけなので、RAWでの画像処理を前提にするなら「感度設定」は あまり意味がありません)。この撮り方の場合、一コマあたりの露出時間が大幅に伸びてしまうのが欠点ですが、 このセットはF3.6と明るいので露出時間が比較的短くて済み、そこも非常に助かった点です。

あと、手前味噌ですが、ブログや個人サイトの方でこのセットの「レビューもどき」を 掲載させていただきました。ご笑覧いただければ幸いです。 https://urbansky.sakura.ne.jp/BORG55FL-RD.html

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。ブログ「星のつぶやき」:http://d.hatena.ne.jp/hp2/  個人サイト「Urban Starry Sky」:http://urbansky.sakura.ne.jp/

<中川コメント>
発売以来大人気で、先日もデジタルカメラグランプリ2018金賞を受賞したBORG55FL+レデューサー7880セットですが、この夏の悪天候が災いして、投稿がほとんどありませんでした。ここへきてようやく晴天が増えてきて、久しぶりの投稿をいただきました。HIROPON様ありがとうございます。都会での撮影の見本のような画像で、未処理と処理済の画像の差に驚かされます。そして、ハイスピード55の良い面、悪い面がバランスよく評価されており、リンク先の記事を含めてこれから購入される方の参考になるかと思います。これからもどんどん投稿いただければ嬉しく思います。ハイスピード55の貴重な在庫はこちらから。私も先週は自宅の部屋からこのハイスピード55+SWAT-350でテスト撮影をしていましたが、ピントの深度はかなり浅いです。でも市街地でも驚くほど星は写ります。新月前に入手して本番前のテスト撮影を十分にして、ボーグと過ごす新月の週末を迎えたいものです。f99273f623b8ac1416c691435f1d1bec1532dd06-thumb-200x150-13843.jpg

P.S.今朝のアルデバラン食はいかがでしたか?関東では食にはなりませんでしたが、ヒアデス星団の中に月がいる様子が意外と面白く楽しめました。深夜に南側の窓から、完全手持ちでハイスピード55+α7sで撮影したところ、意外と暗い星まで写って珍しい写真になりました。明日、掲載できるかもしれません。→10/11掲載しました。↓

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アルデバラン付近と月面(2017/10/10)BORG55FL+レデューサー7880セット+ソニーα7sボデー トリミング 手持ち 撮影:中川昇
<中川コメント>
アルデバラン食当日の月とヒアデス星団とアルデバラン(月の左下の明るい星)です。F3.5の明るさのお蔭でISO10000(1万!)で1/125秒という完全手持ち撮影で意外と暗い星まで写りました。薄雲があったので、月の周りがボケていますが、なかなか美しい光景でした。BORG55FL+レデューサー7880セットは上の記事が分かりやすかったのか、今日はかなりのご注文をいただきました。ありがとうございます。現状で10/末の納期になります。
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71FL手持ち撮影による月面(2017/10/7) BORG71FL(直焦点)+パナソニックGX7MK2ボデー 手持ち トリミング 撮影:中川昇
<中川コメント>
最近、マイブームの月面写真手持ち撮影シリーズです。GX7MK2のお蔭でJPEG撮って出しで、まずまずの月面写真が得られます。撮影準備~撤収まで10分以内の段取りが可能なので、時間がないけど月を撮りたいという方に最適な撮影方法です。GX7MK2はボディ内手振れ補正が効くのでISO感度が低く抑えられます。
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71FL手持ち撮影による月面(2017/10/8) BORG71FL(直焦点)+パナソニックGX7MK2ボデー 手持ち トリミング 撮影:中川昇
<中川コメント>
翌日も10分で終了。これなら帰宅して疲れていても良い気分転換になる程度の軽い負担感です。軽いBORGならではの手持ち撮影手法です。
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71FL手持ち撮影による月面(2017/10/9) BORG71FL(直焦点)+パナソニックGX7MK2ボデー 手持ち トリミング 撮影:中川昇
<中川コメント>
3連夜の撮影です。秋の月はきれいなので、撮影準備が面倒という理由で撮影しないのはもったいないです。BORG+GX7MK2なら、ピンボケもブレも起こりにくい組合せなので歩留まりが良く、画像処理もほぼ不要なので、後処理も含めて実に効率が良いです。

P.S.2 今週末は三鷹の国立天文台でイベントがあります。詳細はこちらから。BORGは出展しませんが、天体観望会もあるようです。また、例年参加していたJBFですが、今年は諸事情でBORGは不参加(フォトコンの賞品には協賛しています)となります。ご了承ください。また、今月末に長野県の小海町で開催される「北八ヶ岳小海・星と自然のフェスタ2017」というイベントには協賛メーカーとして中川が顔を出す予定です。屋外のイベントは天気で成否が大きく左右されるので、コンスタントな参加が難しい状況ではありますが、大切なお客様との接点ですので、大事にしていきたいと考えています。来年の3月のCP+2018には参加致します。

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