月面Xと月面V（2016/08/10） BORG100ED＋Olympus Pen E-PL1s＋微動雲台 ISO100 1/100sec 12秒セルフ 低振動モード 2016/8/10 20:35 秋田県大仙市 自宅前 撮影者：斉藤様
＜撮影者のコメント＞
中川さま。秋田の斉藤です。 晴れたので「月面X」を撮影しました。 相変わらず古い機材で恐縮です。 「月面V」も写っています。 よろしくお願いします。
＜中川コメント＞
関東地方はこの日、急な悪天候で見れない地域が多かったようです。秋田は晴れたのですね。見事に月面Xと月面Vまでシャープに写りこんでいます。BORG100ED＋オリンパスE-PL1ｓという懐かしい機材ですが、逆に言うとボーグは長く使えるという証拠でもあります。やはり口径100mm前後あると飽きがこないということでしょうか？さて、実は以前にも紹介したことがある「月面A」という現象が8/16（火）21時ごろに見られます。これは月面Xと比べると地味な現象ではありますが、私も過去40数年で数回しか意識して見たことがないほど珍しく見逃せません。
月面の地形は知れば知るほど、今日見た地形が実は次回全く同じアングルで見られることは一生ないというほどの絶好のチャンスであることに気が付きます。その辺を少しでも知っていただくと、毎日望遠鏡で月を見る、月を撮るという意義が分かってくると思います。月面の名所案内の記事はこちらから。
生産中止が決まったペンシルボーグ25とミニ三脚 撮影：中西直樹様
＜モニターの中西さんのレポート＞
ペンシルボーグ25レポート第2弾 観望編です。まず、機材写真をご覧いただくとお分かりのように、非常にコンパクトかつ軽量です。36EDも小さいと思っていましたが、ペンシルボーグ25はさらに小さいです (当たり前のことに驚いて申し訳ないですが・・・。素直な印象です) しかも、カメラネジが切ってあるので、別途、台座の購入がいならないところがうれしいですね。 機材写真にもあるように、おもちゃのような三脚でも十分実用になります。 (コンデジを購入した際に、おまけでもらったものです) ただ、三脚がアルミ製？で、デザイン的に非常にマッチして、かっこよすぎです！ これは完全にオブジェのレベルです。性能からして非常に安価にもかかわらず、意外と(失礼)高級感があります。 これは、実際に見ていただかないと分かりません。
続いて見え味です。昼間に、Borg Or5mmのスリーブに直接コンパクトエクステンダー2.2xをねじ込んで、50倍前後？にしました。 機材写真のおもちゃ三脚のままで風景を見てみましたが、ブレもなく問題ありません。(ピントを合わせる時だけは、さすがに多少コツがいりましたが・・・) ここまで倍率を上げると、口径25mmでは過剰倍率気味なので、少し暗くはなりますが、驚くことに シャープさは、ほとんど落ちません。これなら、土星の環が見えるというのもうなずけます。 間違いなく、はっきり見えることでしょう。 Or18mmなど低倍率にすると、非常に明るく周辺までくっきり見えすぎです。 いずれの倍率でも、非常にシャープに見えるのは、他のBorg同様レンズの精度が素晴らしいからでしょう。
さらに夜景を観望してみました。いつもの8x42双眼鏡と比較しながら見てみました。 Or18mm(9.7倍)で見ると、さすがに明るさでは8x42双眼鏡には負けます。 ただ驚いたことに、アクロマートのはずなのに、街灯など色収差が目立つはずの場所を見ても ほとんど分かりません。おそらく、F値が暗く、口径も小さいので、収差の絶対量が小さいことが 有利に働いているのだと思います。 さらに、手持ちのビクセンLV25(7倍)を付けてみました。プリズムが入っていないので当然、正立にはなりませんが、逆に減光もないので、意外と明るいです。 夜に手持ちで見るには、このあたりが、バランスがよいかもしれません。(Borg純正だとUW20mmあたり？) さらに、ビクセンPL40mm(4.3倍)も付けてみました。これが意外と面白いです。 かなり明るいですし、見える範囲は広いですし、周辺までシャープですし、穴場的な使い方かもしれません。 (他の望遠鏡で、こんなに倍率を下げるのは難しいというか不可能に近いですし、しかも有効最低倍率を下回ります) 近日点通過後のアイソン彗星が大化けした場合、この組み合わせが威力を発揮するかもしれません。 ちょっと、個人的には期待しています。
できれば、Borg純正で30mm前後の長焦点アイピースがでたらうれしいのですが、中川さんいかがでしょうか？(アッベOr32mmとか？) あとは、超ワイドのアイピースでも、スリムフラットナーを装着すると、周辺までシャープに見えそうですね。 この組み合わせも非常に気になっています。このように、ペンシルボーグ25は、超高性能単眼鏡としてだけでも非常に面白いです！
既にアイピースをお持ちなら、たったの1万円ちょっとで、こんなに楽しめるものは、なかなかないと思います。 アイソン彗星のせいか、巷には怪しい双眼鏡があふれているので(100倍ズームとか、何とかコートとか・・・) 天文に興味を持ち始めた友達がいたら、予算に合わせて、36EDかペンシルBorg25をぜひ勧めましょう！ 正直、変な双眼鏡や望遠鏡を購入して見えずにショックを受けて、天文に対する興味を失って欲しくありません。
それにしても、ペンシルボーグ25はコストパフォーマンス高すぎですねー。これだけの価格で、超高性能望遠レンズ、そして単眼鏡、さらには三脚に付けて本格的な望遠鏡として楽しめるとは！ 36ED同様、ペンシルボーグ25も万能選手ですね！ 36EDを既にお持ちの方も、36EDで撮影しながら、ペンシルボーグ25にアイピースを付けてポケットに入れておくと いつでも観望でき、二度楽しめますよ！
＜中川コメント＞
かなり以前にモニターの中西さんから送付いただいていたお蔵入りレポートをペンシルボーグ25の生産中止に合わせて掲載させていただきました。こうしてみると生産中止にするには惜しい気がします。つい先日も、ペンシルボーグユーザーの方が高性能ファインダーとして使いたいということで、6×30ファインダー【0630】に付属のXY脚の内側に入るのか？というご質問をいただきました。試してみたところ、見事に入りました。こういう使い方もありです。アイピース交換が出来るので、非常に使いやすいファインダーになります。明日から奈良に行きますが、ペンシルボーグ＋7110＋SDクアトロという究極の組み合わせでペンシルボーグのラストを飾ろうと考えています。こういうとんがった組み合わせは個人的には大好きなのですが、やはり亜流なのでしょうか？趣味なので、こういう亜流もとことん楽しんでいただきたいという思いはあります。
P.S.この夏の天文現象ですが、上記の月面A以外にもまだあります。8/18（木）の極めて軽微な半影月食、8/19（金）の海王星食、8/22（月）火星がM4に接近、8/23（火）火星・木星・水星が集合、8/24（水）火星・土星・アンタレスが一直線に並ぶ、特に最後の8/28（日）金星と木星の大接近は見逃せません。これほど天文現象が続く時期も珍しいです。ボーグを天体に向けてみましょう！天体の動きが速すぎて追いかけるのが大変という方はこちらの微動雲台がおすすめです。快適に天体の追尾が出来ます。
P.S.2 昨日の羽田空港で飛行機の預け荷物が機械トラブルで積み込みが出来なかったというニュースがありましたが、すぐに2017年の北米横断皆既日食のことを思い浮かべました。これが日食ツアーの飛行機だったら目も当てられません。高い旅費を払い、会社も休み、高い機材を購入し、天気はバッチリ。2度とない日食が荷物のトラブルで撮影できなかったとしたら・・・。その点、機内持ち込み可能なボーグはそうした余計な心配が不要なのです。機材がばらせる、対物レンズまでもが機内持ち込み可能、軽いので手持ち撮影が可能、などなど様々なトラブルに強い機材であることが今回のニュースで判明しました。少なくとも精神的な安心感は何にも代えがたいものがあると思います。
P.S.3 今日は休日出勤です。風邪はほぼ治りましたが、油断大敵です。カワセミ撮影も控えて、ひたすら自宅で休養。幸い、オリンピックの卓球とバドミントンでとてもエキサイティングな思いをさせてもらったので、よしとしましょう。卓球選手にあんな大ベテランがいるとは驚きでした。明日から3日間奈良に行きますが、上にも書きましたが、ペンシルボーグ25と36ED＋シグマクアトロでどこまで撮れるか試してみます。もしかしたら、この小型2機種は、2017年の北米横断皆既日食の強力な武器になるかも？撮影用としてだけでなく、観望用としても他社と差別化を図る武器として使えるかも？
P.S.4 夏休み中の読み物です。●FAQへのリンク：困ったときはまずここを！●ボーグワールドへのリンク：BORGの使い方や組み立て方等の疑問が氷解するかも？●オリンパスPEN＋BORGの連載記事：オリンパスのサイトに弊社中川がBORGの連載記事を執筆。●BORGの歴史連載記事へのリンク：全18回の連載記事。これを読めばBORGの歴史が丸分かり！●古いBORGブログ（2006～2010）はこちらから。※夏期休業中の画像投稿はこちらの投稿規定をきちんと守っていただき投稿をお待ちしています。弊社の夏期休業は8/18（木）までです。期間中は販売店をご利用下さい。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
P.S.5 今日18日（木）はJAMという鉄道模型のイベントにBORGを出展するための搬入作業（東京ビッグサイト）と、その後会社に戻り、夏期休業中のご注文やメールのご返信作業を行っておりました。夏期休業中のご注文は予想よりもかなり多く、明日19日（金）1日ではとても出荷しきれない量になっております。このため、明日19日いただいたご注文は明日中に出荷できず、22日（月）以降になる可能性が高いことをご了承ください。また、投稿画像もハイレベルな画像が多く、掲載までかなり時間がかかりそうです。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。（2016/08/18）