BORG WORLD 画像作例集

BORG77EDIIで撮影に成功したオジロワシ.jpg
オジロワシ BORG77EDII+絞りM75+BU-1+ニコンD7000ボデー 撮影:倉橋和久様  
<撮影者のコメント>
高空を旋回するオジロワシの合焦確率は10%前後です。が、昨年の数パーセントよりは遥かに向上しました。
とうもろこしの殻で遊ぶ丹頂.jpg
エサのトウモロコシの軸で遊ぶ丹頂 BORG77EDII+絞りM75+BU-1+ニコンD7000ボデー 撮影:倉橋和久様  
<撮影者のコメント>
撮影中は木の枝だと思ってました。画像確認でトウモロコシと判るあたり、やはり77EDIIの解像度の高さにシビレます。71FLその1.jpg
撮影機材のひとつ:BORG71FL+絞りM75+BU-1。終日氷点下の阿寒丹頂の里ではヘリコイドのグリスが固まるようで、スッピンのグリップでは余計にチャンスが逃げてしまいます。そこで編み出したグリップアシスト。見た目不細工ながらグリップに指を掛けて「押す」「戻す」感覚で合焦確率が相当向上しました。 今では付けっぱなしにして愛用してます。

<撮影者のコメント>
さて、ここ数年毎年成人の日の前後3日は、厳冬の釧路に丹頂とオジロワシを撮影に行くのが恒例になりました。もちろんレンズはBORG71FLと77EDIIです。71FLを購入して暫くは「同じトビモノだからヒコーキで練習しよう」と、ふざけた理由で浮島公園で練習をしました。しかし本番ではまったく予測困難な動きを見せる丹頂、ましてや急降下をやらかすオジロワシなどを被写体にした暁には撃沈続出。

でもかえって面白くなるのです。「だったらどうすれば歩留まり=合焦確率を上げることができるか」を四六時中考えるのです。中川さんのよく仰る「脳味噌を使う」。今回も撮影中、ホテルにて、往復のヒコーキの中で歩留まり向上を考えておりました。奴らの飛行ルート、旋回時の習性、地理的要素、風向き、運、日ごろの行い...関係ねえか。

で、帰りのヒコーキの中で「鏡筒を振り回している最中に裸眼をアシストして合焦精度を上げる...フォーカス・ピーキング..なんと、ミラーレスを使ってフォーカスピーキング(FP)をアクティブにすればええやん」せめて行きのヒコーキで思いつけばよかったものを、随分マヌケな思いつきになってしまいました。なのでまた自戒、いや次回の遠征で、この仮説を試してみようと今から練習スケジュールを考えるのです。

<中川コメント>
最近、何かと北海道絡みの投稿が続きます。これも縁なのでしょう。縁は大切にしたいものです。オジロワシもタンチョウも見ていると北に行きたくなります。BU-1の工夫はさすがですね。これは相当使いやすいと思います。BORGだと脳味噌をフルに使わざるを得ないので、その沼の深さは半端ではありません。何度も書きますが、使わない機能は確実に落ちます。BORGを使う限り、五感をフルに使わないと良い画像が得られませんので、楽は出来ません。でもその苦難の向こうに今まで味わったことのない幸福感が待っているわけです。

P1260587st.jpg
ジョウビタキ(オス) 2014X1(直焦点)+絞りM75【7075】+マイクロフォーカス接眼部+オリンパスE-P5ボデー ISO2500 1/640秒 トリミング 半手持ち 撮影:中川昇 2014/01/26
<中川コメント>
わずか30秒間の登場でピントを追い込む暇なく退場してしまったのですが、久々にジョビ夫君に会えました。羽毛はまだまだ解像しますが、ISO2500でもここまで写るという参考までに掲載します。P1260597st.jpg
ヒヨドリ 2014X1(直焦点)+絞りM75【7075】+マイクロフォーカス接眼部+オリンパスE-P5ボデー ISO1600 1/640秒 トリミング 半手持ち 撮影:中川昇 2014/01/26
<中川コメント>
こういう細かい羽毛はモアレが出やすい場面です。このヒヨドリのE-P5はわずかに出てはいるのですが、それほど目立ちません。ノイズもISO1600にしてはまずまずでしょうか?新しいフジのフジのXT-1がどういう描写をするかが期待されます。
P1260529st2.jpg
カワセミ 2014X1(直焦点)+絞りM75【7075】+マイクロフォーカス接眼部+オリンパスE-P5ボデー ISO400 1/640秒 トリミング 半手持ち 撮影:中川昇 2014/01/26
<中川コメント>
このカワセミも羽毛にモアレがわずかに出ていますが、JPEG撮ってだしとしては優秀だと思います。私はカワセミのこの後姿がたまらなく好きで、この「好きが写るカメラ」としてフジのXT-1は大いに期待しています。
2014X1(Or5 木星).jpg 
木星 2014X1+Or5+LMF-1【9868】+7861+モノクロWEBカメラ 撮影:中西直樹様

<撮影者のコメント>
こんにちは、中川さん。中西です。今回は、2014X1レポート第11弾 木星スーパークローズアップ撮影編& 2014X1レポート第12弾 地上・天体観望編のダブルレポートです。

まずは、2014X1レポート第11弾 木星スーパークローズアップ撮影編です。先回の「木星クローズアップ撮影編」と比べて何が「スーパー」になっているかというと、前回がBorg Or9mm、今回はBorg Or5mmに拡大率をアップしただけです(笑)

というのがネットを見ると、ジェット気流がそれて冬としては、かなり気流がよさそうな雰囲気でした。しかし、実際に観望してみると、これまでの撮影日と比べ、ほんの少しよいかな?というレベルでした・・・。自宅が海と山に挟まれている場所だからか、低空から中空の気流が悪いことが多いように感じます(泣)(月の全景くらいの拡大率なら結構何とかなるのですが・・・)

それでも、せっかくなので、Borg Or5mmを使用して撮影することにしました。今回は、アイピースとカメラの距離をできるだけ近づけて拡大率を下げました。さらにWEBカメラのゲインを限界まであげることによって、何とか撮影できました。そのかいもあって、これまでの作品を超えて細部が写りました!やはり、シーイングがよくならないと、なかなか壁を越えられない感じもありますが、少しずつレベルアップするのが非常に楽しいです。

シーイングがもう少しよくなれば、2014X1の威力で、まだまだいけそうです!(いつも同じことを言っている気がしますが、本当にシーイングがよくないので・・・)いずれにしても、太陽と同じく、木星は非常に変化にとんでいる対象なので撮影も観望も非常に楽しいですよ!
皆さんも継続的に、Borgでの撮影や観望を楽しんで腕を磨いてください!2014X1(EP-2)mj.jpg
続いて、2014X1レポート第12弾 地上・天体観望編です。2014X1+地上プリズムEP-2【7778】を使用して、昼間に地上風景を見ました。まずは、Borg Or18です。非常に明るくシャープです。先日の月の観望の際、2014X1+Borg Orでは、色収差がほとんどないのは確認済みです。EP-2が間に入っても、昼間の風景では、色収差は全く分からないレベルです。

ちなみに、他社の普及品のアイピースで見ると、電柱が少し歪んでいるのが分かります。Borg Orでは、名前の通り、歪まず整って見えるのがとても印象的でした。続いてBorg Or12.5に変えてみましたが、素晴らしい印象は変わりません。そのまま、大きくなったイメージです。あまりによく見えるので、調子にのって(笑)Borg Or5を使用し、かなりの高倍率にしてみました。天気がよかったので、まだまだ明るくコントラストも高いです。

しかし、ここまで倍率を上げると、空気の揺らぎが結構凄いです。(もちろんBorgのせいではありません・・・)ある意味、面白いですが、地上風景でここまで倍率を上げる必要性は、あまりないかもしれません。

続いて夜、やっとオリオン大星雲を観望しました。(これまで、作例撮影・テスト撮影が、あまりに忙しくて、見たい見たいと思いつつ機会がありませんでした(泣))透明度は、普通レベルです。(冬にしては少し悪い?)

まずは、ビクセン PL40で導入しました。背景が明るいですが、はっきり星雲が見えます。ただし、光害に少し埋もれ気味です。続いて、Borg Or18に変えました。背景が黒くしまってきて、コントラストが明らかに高くなり見やすくなります。さらに、Borg Or12.5やOr9でも見てみました。このあたりになると、トラペジウムがはっきり分離して見えます。バランス的には、Or12.5がよいと感じました。

ただし、光害地の自宅からの観望なので、いかにコントラストの高いBorg+Orでも、星雲が少し埋もれてしまいます。それで今度は、2014X1に、フィルターBOXを装着しました。撮影用のフィルターは、いっぱいありますので(笑)、色々見比べてみることにしました。

結論から言うと、非常に面白いですし、効果がかなりありますのでお勧めです。2014X1の口径があれば、光害地でも、オリオン大星雲の羽の細部がよく分かり十分楽しめます!もしスケッチしたら、「自分では描ききれないほどだ」と感じました。ただ少し注意点があります。それは眼を暗闇にならして瞳孔をできるだけ開くようにするという点です。これを行なわないと正直よく見えません。さらに、市街地だと明かりだらけなので、暗い色のタオルをかぶってから観望するのも効果的です。見え味がかなり変わりますので、ぜひ試してみてください。

それでは、以下にフィルターごとの印象を述べたいと思います。ぜひ頭の中で想像してみて下さい。

・ノーフィルター:背景が明るく、星雲が埋もれて見える。そのかわり星も明るくたくさん見える

・Idas LPS-P2:意外と自然に見える。フィルターを使用している感じがほとんどない(言われないと気づかない?)
 ノーフィルターより背景が暗くなって、星雲が見やすくなる。ただ悪く言えば効果が少し弱いとも言える

・Idas LPS-V4:星が青緑ぽっく見えて若干不自然だが、背景がずいぶん暗くなり、星雲が、はっきり見えてくる
 単に星雲があるのが分かるだけではなく、濃淡(模様)がよく分かる。Or9だと視野いっぱいに星雲が広がり感激!
 個人的には、これが一番バランスよく感じる。

・Baader O3:星が緑に見える。背景は真っ暗に近い。ただし星雲も暗くなる
 じっくり、よく見ると星雲の濃淡は一番よく分かる気もするが、暗い星は見えなくなり、数が減って迫力は少なく感じる

個人的には、LPS-V4がお気に入りですが、いずれのフィルターでも、ノーフィルターよりは、かなりよくなります。本来は、光害のないところで見るのが一番ですが、なかなか遠征できない人も多いと思います。光害地では、さすがに明るめの星雲限定になると思いますが、これだけ楽しめれば十分だと思います。

自分の家では見えないと、最初からあきらめるのではなく、ぜひBorgで観望にも挑戦してみてください!既に、光害カットフィルターやナローバンドフィルターをお持ちの方はぜひ試してみてください。31.7mm用のフィルターなら、意外と安価なので、新規購入もお勧めです。Borgの新たな用途が増えますよ。

ところで、星雲の観望は、口径が大きいほうが有利なので、ぜひ2014X1を楽しみにしておいてください!こう言うと、口径が大きくて安価な反射望遠鏡などのほうがいいのでは?と思われるかもしれません。しかし、コントラストが高い屈折望遠鏡は、光害地では、特によく見えると思います。

ちなみに、オリオン大星雲の見え味を、手持ちの20cmシュミットカセグレンと2014X1で比較してみると、ほぼ互角だと思います。あえて言うと、20cmシュミットカセグレンの方が明るく見えますがコントラストが低いので意外とよく見えません。逆に、2014X1の方は、少し暗く見えますがコントラストが高いので、じっくり見ると、こちらの方が模様がよく分かるといったイメージです。

いずれにしても、言葉だけでは伝わらないと思いますので、このレポートをご覧になって一人でも多くの方が、星雲をご自分の眼でご覧になって感動してくださればと願っています!百聞は一見にしかずと、言いますし・・・。騙されたと思って、Borgでの観望に一度挑戦して見て下さい!以上、よろしくお願いします。

<中川コメント>
少し長いですが、中西さんのレポートを基本原文ママで掲載しました。今回の木星も凄く良く写っていますね。より微細構造が写っています。観望のレポートはフィルターとの相性のレポートもあり、じっくり読むと参考になることが満載です。中西さん、いつも詳細なレポートありがとうございます。感謝しています。

P.S. 2014X1は2014CP+で試作品を展示します。作例も展示します。ぜひご期待ください。1月もお陰様で売れました。計画をはるかに上回っています。週末はCP+2014の準備で休日出勤の予定です。後がないので焦っております。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

カテゴリー
バックナンバー
ページトップへ戻る