BORG WORLD 画像作例集

67FL(7108 スバル)s.jpg

M45プレアデス星団 BORG67FLマルチフラットナー1.08×DG【7108】+ST-8300M 撮影:中西直樹様
※輝星の光条はM57ヘリコイドによるケラレからくるものです。

67FL撮影・36EDガイド全景[1].JPG

今回の撮影機材:BORG67FLマルチフラットナー1.08×DG【7108】+ST-8300M+SXD赤道儀 ガイド鏡:コ・ボーグ36ED 撮影:中西直樹様

<中川コメント>
こんにちは、中川さん。中西です。BORG67FLレポート第16弾 スバル撮影編です。今回は、中川さんの、たってのご希望(笑)でスバルを撮影しました。機材は、BORG67FL(60φ独自仕様)+1.08DG【7108】+ST-8300Mです。

以前から述べていますように、光害地で、青い星雲の淡いところを写すのは、なかなか難しいです。(赤はフィルターを使用すれば意外と写ります)それで、先日の36EDのオリオン大星雲・馬頭星雲の大作を越えて約9時間にわたってスバルを撮り続けました!かなり頑張ったおかげで、光害地にしては淡い部分も、かなり描写することができたと思います。

もちろん、スバルは星団部分だけを写しても、とても美しい被写体です。その場合は、改造していない普通のミラーレスやデジタル一眼レフで短時間露出で簡単に写すことができます。どうぞ皆さんもスバルの撮影に挑戦してみてください!

スバルは、透明度がよければ(というか普通なら)肉眼でもすぐに分かりますので、ポタ赤でも簡単に導入できます。天体撮影初心者の方にもお勧めです。さらに、スバルは観望しても非常に美しい対象です。どうぞお手持ちのBorgに、できるだけ倍率が低くなるBorgアイピース(Or18mmやUW20mm)をつけてご覧ください。感動されること間違い無しです!本当に美しいので、ぜひご家族やお友達にも見せてあげて、Borgの凄さを認知してもらいましょう(笑)

実は、愛車がスバルなので、いつかスバルを真面目に撮ろうと思っていました(笑)。ただ、中川さんに希望されるまでは、青い星雲(星団)ということで、少し敬遠していました。今回、光害地でも意外と写りましたので、やはり何事も挑戦してみないと分からないですねー。反省です。

今回の作例に関して少し説明があります。輝星に反射望遠鏡で撮影したような光条がでています。しかし、これはレンズのせいではありませんので、皆様どうぞご安心ください。この作例は、少し以前のもので、中川さん推奨の形式で撮影したものではありません。機材写真をご覧いただくと分かるように少し変則的な組み合わせです。この組み合わせだと若干けられていたようで、光条が少し出てしまいました。(さらにヘリコイド内の植毛紙が2箇所、かなり浮いていたことも影響しているようです)

後日、けられがおきないように、テスト的に80φ仕様の鏡筒で、金星やシリウスを撮影しコンポジットして強調処理しましたが光条は出ないことを確認済みです。

ただ、このような光条がでるのも、意外とカッコいいですねー。個人的には、これはこれで有りだと思います。ちなみに、今回の鏡筒の組み合わせでも、輝星がない限りこのような光条は発生しません。先日公開された、アンドロメダの作例も同じ機材構成でしたが、輝星がないので光条は全く分からないと言っていいレベルです。このようにBorgは、たとえ何か問題点がおきても、鏡筒を自由自在に変更することができます。これは他社にはない大きなメリットだと今回のケースでも感じました。

67FL(1[1].08DG 80φ仕様 カペラ フルサイズ周辺)s.jpg

フルサイズ四隅の星像(カペラ付近) 67FL(80φ仕様)+1.08DG【7108】+EOS5DMark2ボデー 撮影者:中西直樹様

67FL(1[1].08DG 80φ仕様 5DMark2).jpg

カペラ付近の撮影機材 67FL(80φ仕様:7050+7051+7801+7835+7352)+1.08DG【7108】+EOS5DMark2ボデー 撮影者:中西直樹様

<撮影者のコメント>
もう一点、テスト画像もご覧ください。こちらは、輝星(カペラ)をフルサイズ最周辺に配置し撮影した画像です。機材は、67FL(80φ仕様)+1.08DG+5DMark2で、画像はノートリミングです。この画像からも分かるように、先ほどのような光条は80φ仕様では全く出ませんが、若干、星割れ現象がおきます。(少しなので分かりにくいかもしれませんが・・・)

テストした限り、APS-C周辺では、星割れは起きず、フルサイズ最周辺のみで起きる現象のようなので、現実的にはあまり問題ないかとは思います。(中川さんが、最悪の条件の場合でのテスト結果も、皆さんに正直に公表しましょうとのことです。本当に信用できますねー)

ただ、この星割れは、屈折光学系の宿命とも言えるかもしれません。ほとんどのカメラレンズ、そしてBorg以外の他社の高級屈折望遠鏡でも、形状は様々ですがほとんどの場合、似たような星割れが起きます。Borgに限った話ではないので、あまり気にする必要はないかと思います(もちろん、長い目で見ると、なくなる方向で頑張っていただきたいですが)。このような微小な点よりも、1.08DGで、スケアリングが決まると、フルサイズ周辺まで素晴らしい星像が得られることがうれしいですね!以上、よろしくお願いします。

<中川コメント>
中西さんからは、67FL+7108による見事なM45スバルの作例が届きました。同時に注意点も記載がありますので、以下にまとめてみます。
●60Φ鏡筒システム等、ギリギリの光路の状態で輝星を撮影すると、輝星の周りに光条が出ることがあります。ただし、野鳥撮影など一般の撮影には全く影響がありません。
●これを防ぐには、内径に余裕のある80Φ鏡筒システムの使用をおススメします。
●80Φ鏡筒システムにおいても、フルサイズのカメラを使用すると四隅の輝星に星割れと呼ばれる現象が起きることがあります。これは絞ることにより、低減可能です。

以上が現状で判明している注意点です。やはり、天体写真は注意すべき点が多いですが、あまり細かいところに拘りすぎても初心者の方は引いてしまいますので、「こういう点に注意するとより美しい天体写真が撮れますよ」というふうに受け止めていただければ幸いです。基本的には天体写真もデジカメのお陰で簡単に撮影できるようになってきましたので、難しく考えずに気軽にチャレンジしていただければ幸いです。細かい注意点はありますが、全体としては非常に素晴らしいレンズに仕上がったと自負しております。中西さん、いつも役に立つレポートをありがとうございます。深く感謝いたします。 

PC110054st2.jpg 月面 BORG67FL+7214+E-PL1ボデー トリミング 撮影:中川昇 2013/12/11 会社駐車場にて
<中川コメント>
今晩の月面です。超お手軽撮影です。シーイングは悪いですが、最低でもこれくらいは撮れます。 

P.S.今日もボーグユーザー様から、大変素晴らしい投稿画像が届いています。明日以降に掲載予定です。ご期待ください。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 

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