BORG WORLD 画像作例集

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 オリオン座中心部 コ・ボーグ36ED+スリムフラットナー1.1×DG【7110】+ST-8300M ノートリミング 撮影:中西直樹様 上下2枚モザイク合成 上下ともに、Hα10分x6枚、LPS-V4(光害カットフィルター)10分x6枚、Rフィルター10分x1枚、Gフィルター10分x2枚、Bフィルター10分x3枚です。1コマあたり3時間、2コマモザイクで合計6時間露出

36ED(1[1].1倍フラットナー、馬頭、切り抜き).jpg 馬頭星雲付近 コ・ボーグ36ED+スリムフラットナー1.1×DG【7110】+ST-8300M 1枚目をトリミング 撮影:中西直樹様 

36ED(1[2].1倍フラットナー、オリオン、切り抜き).jpg

オリオン大星雲付近 コ・ボーグ36ED+スリムフラットナー1.1×DG【7110】+ST-8300M 1枚目をトリミング 撮影:中西直樹様

<撮影者のコメント>
36EDレポート第18弾 オリオン大星雲・馬頭星雲 モザイク撮影(1.1倍スリムフラットナー)編です。

今回の撮影機材は、先日のハート星雲撮影時と全く同じものです。36ED+スリムフラットナー1.1×+ST-8300Mです。先日の3連休は、夜半過ぎから月の影響がなくなるのと透明度がよかったので、大作に挑戦しました。狙うのは、冬の定番、オリオン大星雲と馬頭星雲です。36ED+1.1×は220mmと短焦点ですが、非常にシャープなので、単独でも見栄えがすると思いましたが、せっかくなので広写野をいかして上下2枚モザイク合成を狙いました。

ただ、お手軽作品でモザイクするのは、PhotoShopの機能を使えば簡単なのですが・・・。かなり淡いところまで出したものをモザイクするのは非常に難しいです。上下の明るさ・コントラストや色相や、周辺減光等を、完璧に追い込んでから合成しないと完成画像がおかしくなってしまいます。この微調整が非常に難しいので、1枚単独の作品に比べて何倍も難しいです。とくに、今回は撮影日が違うため透明度が違い、写りの差がかなりあり難しかったです。

ちなみに、事前にホームページで透明度の予測をチェックするとだんだん透明度が落ちるということだったので、オリオン大星雲よりは淡い馬頭星雲を先に撮影し、次の日に、オリオン大星雲を撮影しました。夜半過ぎでしかも休日なので、普段よりは光害が少ないとはいえここまで強調すると、カブリがかなりでますので、修正も難しかったです。

露出時間は、上下ともに、Hα10分x6枚、LPS-V4(光害カットフィルター)10分x6枚、Rフィルター10分x1枚、Gフィルター10分x2枚、Bフィルター10分x3枚です。1コマあたり3時間、2コマモザイクで合計6時間露出の大作です!(RGBの枚数が違うのは、Bが一番写りにくく、Rが一番よく写るためです)

オリオン大星雲は中心部が非常に明るく、とんでしまうので、1分露出のLRGBも撮影していたのですが、今回はモザイクで広写野なので、逆にとばした方が透明感があると感じ、結局使用しませんでした。アップで撮影するときは、新Borgカラーカタログの表紙に採用していただいた89EDでの作例のように処理するほうがよいかもしれません(好みの問題ですが・・・)

前置きが長くなってしまいましたが、どうぞ作品をご覧ください!光害地でのモザイク合成作品ということで、画像処理に苦労はしましたがそのかいがありました!個人的には、Borgに提供させていただいた作品の中でもベスト!?といえると少しだけ自負しています(笑)CP+での大パネルでも全く問題ないと思います。HPの縮小画像ではこの素晴らしさの全ては伝わらないと思います。気が早いですが(笑)どうぞ皆さんCP+2014へ足を運んでご覧ください。(と言いつつ、私自身が遠くて、なかなか行けそうにありませんが(大泣))

せっかくの高解像度なので、オリオン大星雲・馬頭星雲部分を切り抜きました。これまでのレポートで何度も言っていることで恐縮ですが(耳にたこができた?(笑))まさか口径36mmで撮ったとは誰も思わないというか、もはや信じていただけないのではないでしょうか?何も言わずに今回の作例だけ見せると、相当なベテランが77EDⅡや89EDはたまた125SDで撮ったのでは?と多くの人が思うのではないでしょうか?

特に燃える木と呼ばれている星雲のディテールが素晴らしいです!さらに、オリオン大星雲も筋状になっているのが分かります。自分で言うのも何ですが、こんなに写ってよいのでしょうか?またまた、中川さんに怒られそうです(笑)ただ、冷静に考えると、以前の作例のように、36EDのレンズは土星の輪がきちんと写る素晴らしい解像力があるのです。ということは、全てを完璧にしさえすれば、これくらい写るのはある意味当然!と言えるのではないでしょうか?もちろん、土星の撮影はビデオの大量のコマから歪んでいない画像を選別しコンポジットし画像復元しているので、単純には比較できません。星雲の撮影では、シーイングやガイドの影響を大きく受けます。しかし、最低でも、ここまでの潜在能力はあるということです。

正直、もっとよい空でもっと露出すると、どこまでいけるのか?恐ろしく感じます。天文誌に入選することも、機材の面では全く問題ないと断言しておきましょう。フラットナーの発売も秒読みでしょうから、皆さんぜひ楽しみにしていてください。

あと、これも何度も言っていますが、上位のBorgは、今回の作例よりもっと写る力を秘めています。中川さんと一緒に、このブログから色々情報発信しますので、皆さんと共に、どんどんレベルアップしBorgライフを楽しみましょう!(冷却CCDでの画像処理など、どんなふうにしているのか?など疑問に思っておられる方もおられるかと思います。今回入れようと思いましたが、長文になりましたので、また、いつか簡単ですがレポートできたらと思っています) 以上、よろしくお願いします。

<中川コメント>
今回、色んな意味でインパクトの非常に強い作品だと思います。革命的な作品といってもいいでしょう。あのコ・ボーグで、あの36EDでここまで撮れるわけ?本当?信じられない~。というのが一般的な見方でしょう。大口径の立場が無いよ~。という方も多いでしょう。私はたったの口径36mmという低価格の小口径のレンズで撮影したという事実が非常に大きいと思うわけです。もちろん、画像処理に非常に手間がかかっている点、カメラが冷却CCDである点、赤道儀も良い赤道儀を使っているという点では誰でも撮れるという画像ではないのですが、それでもレンズは36EDという事実が大きいのです。しかも光害地での撮影です。

このことは、多くの人に勇気を与えます。自分にも撮れるかもしれない。これが大きいのです。ベテラン天体写真家の先入観を打破して、コ・ボーグでもこれだけ撮れるんだ!というインパクト。快感。これこそ、趣味の醍醐味です。工夫次第で何とかなるという希望の道具。きぼーぐです。というわけで、スリムフラットナー1.1×DG【7110】の発売も間近です。これがあると、36EDはAPS-Cの隅までシャープな高性能望遠レンズに変身するわけです。どうです?ワクワクするでしょう。「柔よく剛を制す」を地でいく下克上レンズといえると思います。

 

3235の特長.jpg 新製品 10月25日(金)発売予定 
■アングルプレート35VP【3235】【3236】【3237】※3色同時発売 価格未定
<中川コメント>
プレートビジネスに目覚めたBORGがお送りするポータブル赤道儀用アングルプレート第2弾はビクセンポラリエ用です。これは売れます!主な特長は3つ。1.とにかく安定します。どんな丈夫な雲台を使用してもアングルプレート35PVの重心の安定性にはかないません。2.何と業界初のアルカスイスタイプ対応のプレート。事実上の業界標準のアルカスイスタイプに対応していますからプレートの着脱がワンタッチです。3.リバーシブル設計。同架する機材の種類により、プレートを裏返して使用可能。最適なバランス位置を模索できます。しかも55gと超軽量です。

実は正直にいうと私は今までロクに使いもせず、先入観だけでポラリエをあまり評価していませんでした。ところが、このポラリエが物凄く売れているということを話を聞き、俄然ヤル気が出てきました。それだけ大量に売れているのなら、困っている人も多いはずです。というわけで弊社開発のIが知恵を絞りに絞って出来たのが、このアングルプレート35VPなのです。これはよく出来ています。これさえあれば、精度の高いポラリエのことですから、BORGを搭載して撮影することの敷居が一気に低くなりました。おそらく、コ・ボーグ36ED+スリムフラットナー1.1×DG【7110】+ミラーレス一眼+ポラリエ+アングルプレート35VPの組み合わせは最強の高性能お手軽セットになるのではないでしょうか?お手軽なのによく写る。すでにポラリエをお持ちの方には福音だと思います。軽くてコンパクトなポラリエの最大の特徴を損なうことなく、使いやすくできるのです。

発売日は10月25日(金)の予定。次の新月には間に合います。価格は来週発表します。製品ページはこれから作ります。カラーバリエーションもあり、3色同時発売です。ご期待ください。

P.S.今日も超多忙でした。ありがたいことです。実は新製品は隠し玉がまだあります。湯水のように湧くアイデアを製品化する作業は苦しい作業ですが、お客様の喜ぶ顔を思い浮かべると疲れも吹き飛びます。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 

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