今までに頂いたご質問など

 

番号
ご質問
備 考
22
コリメート撮影法(デジスコ)の疑問 (詳細解説)

 


○ご質問
1)デジスコは、コリメート撮影法で撮影していると聞いてます。
けれど、コリメート撮影法について詳しい説明はあまり見聞きしたことがありません。最も困難なのは、ピントを合わす方法だと思います。様々なH・Pを見ても練習と経験を積まないと駄目・・・?

2)多くのH・Pでは、まずスコープでおおまかにピントを合わせておいて、あとはデジカメのAFで合焦させるとあります。デジカメのAFがスコープのピントリングを回転させてピントを合わせてくれる訳でないので、この方法に納得が出来ません。あくまで、スコープでピントを合わせておかないと、デジカメのAFはピンボケの画像にピントを合わせて撮影するのでは・・・?

3)もうひとつの疑問は、カメラと接眼レンズが殆ど接触するくらいに接近しているのに、AFでピント合わせが可能という事です。なぜピントが合うのでしょうか?


○回答
1)簡単に申し上げますと、やはり練習や経験は重要だと思います。
デジスコに限らず天体撮影も同じです。
細かいコツやカメラや望遠鏡の癖もありますから、最終的に経験から得るものは大きいでしょう。

2)スコープを使って鳥を見る場合は、スコープ自身と人間の目の双方でピントの調整を行っています。
スコープはレンズを移動させてピントを調節し、さらに、人間の目でもピントの微調整をしています。
ここで注意して欲しいのは、人間の目の方でも調整しているということです。従って、スコープだけではピントが決まりません。

さて、人間の目とカメラを置き換えて考えてみましょう。光学的な仕掛けは似たようなものと考えることが出来ます。カメラは、AFでピントの微調整をいたします。これも、人間の目のピント調整と同じ様なものとお考えください。
カメラはスコープのピント調整機構には一切タッチしていませんが、システム全体の光学的な調整を行っています。(もちろん、実際に動くのはカメラレンズ側だけです)

スコープで動かない目標物にピントを合わせてみます。そして、そのまま別の人間が覗いたり、同じ人が時間をおいて覗くとピントの位置に疑問を感じることでしょう。その原因は、人それぞれの個人差や目の状態に依存してピントの位置(目の調整レベル)が異なるからです。普段意識することはありませんが、実は人間の目は微妙なピント調整を普通に処理しています。

また、スコープ側でピントをしっかり合わせたとしても、それは操作した方のその時の目の状態に合わせただけと言えます。そのままカメラを装着したら、カメラのピント状態とはマッチしません。従ってピンボケな状態になっている訳です。

撮影される方々のお話を伺うと、最初に目で合わせてそれからカメラを取り付ければピントが合うと考えている方も多い様です。手順としてはそれで良いのですが、撮影画像がピンボケだからと感じ目で覗いて慎重に合わせ直してもあまり意味はありません。大切なのはカメラのAFできちんと合焦させることです。

余談になりますが、カメラの液晶画面は情報量が少ないものです。また、サイズも小さく目視でピントの判断は難しいのです。そのため、カメラのAFをきちんと使いこなして撮影される方がベターと言えるでしょう。
なお、AFは100%信用できませんから、その意味では人間の監視や沢山撮影して良いカットを拾う作業は重要です。100発100中は不可能ですし、せいぜい半分程度に考えておいた方が無難です。

3)デジスコ撮影の時には、接眼レンズとカメラのレンズがかなり接近しています。ケラレを考えて最適な位置にセットすると1cm以下になることもしばしばです。
ピント合わせを考えると、この距離は不可解に思われるかも知れませんね。

最初にお断りしなければならないのは、カメラは接眼レンズを撮影しているのではないという事です。仮に接眼レンズの表面にピントを合わせたとしても、デジスコにはなりません。それは超マクロ撮影に過ぎません。(接眼レンズを撮影しただけです)

 

ここから後は、少々分かりにくい話が出て参ります。
参考としてお読みください。

デジスコ撮影でカメラが見ている像は、虚像と言われるものです。
「虚像=嘘(仮の、仮想的な)の映像」です。

実際にデジスコを使って20m先の野鳥を撮影すると仮定します。
その場合、実像は20m先に位置しています。本来、ここにピントを合わせる必要があります。
さて、この状態で実際にカメラがピントを合わせているのは、何mの距離になるのでしょうか?
答えは20m先ではなく、もっと近距離を見ています。そして、その位置(距離)に見える像を「虚像」と言います。

虚像は理論的なお話ですから、実際にその位置には何も物質は存在していません。理解しにくいことと思います。
けれども、虚像にピントを合わせることで実際にきちんとした映像が得られますし、液晶画面にも再現されます。
なお、虚像を見ることは、人間の目で覗く場合でも同じです。

「虚像」の位置は通常近距離(例えば30cm)のため、目で本を読んだりするイメージと同じです。
ちなみにこの距離はカメラで言うとマクロ撮影に該当することがあります。一部の方々は撮影中にカメラの設定をマクロモードにしていますが、その理由はここにあります。


かなり分かりにくく納得頂けないかも知れませんが、出来るだけ簡単にご説明させて頂きました。
ご参考になりましたでしょうか?

 

その2へ続く

 

2005/05/11